北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構

[令和2年度新発生病害虫]


りんごの黒星病(耐性菌の出現)

 

 

 

 令和元年度に培地及び遺伝子検定によりりんごの黒星病QoI剤耐性菌およびDMI剤の感受性低下菌の出現を報告した(令和元年度指導参考事項「令和元年度の発生にかんがみ注意すべき病害虫」、新たに発生を認めた病害虫、りんごの黒星病(薬剤耐性菌の出現・薬剤感受性低下菌の出現))。令和2年に、DMI剤感受性低下菌と判断した黒星病菌に対する薬剤の防除効果を検討したところ、防除効果が著しく低下していた。このことからDMI剤感受性低下菌としていた菌株は耐性菌であることが明らかとなった。
 また、令和2年8月から10月にかけて空知、上川地方の一般園から採取した黒星病菌について、DMI剤感受性についての遺伝子検定を実施した結果、計10園地で薬剤耐性(変異型)の黒星病菌が高頻度で認められた。なお、今回明らかになったDMI耐性(変異型)はQoI剤の耐性の遺伝子変異も持っていた。これにより、渡島、胆振及び後志地方に加え、全道で、両系統の耐性菌が広く発生していることが確認された。


(中央農試)



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