北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
[令和2年度新発生病害虫]
きゅうりのホモプシス根腐病(新発生)
令和2年7月下旬から8月上旬にかけて、空知地方の複数地点において、きゅうり株が急激に枯れ上がる症状が発見された。上部維管束の褐変やヤニの噴出などが認められないことから、つる割病やつる枯病などとは考えられず、一部では生理障害と判断されていた。発生株の毛細根を観察したところホモプシス根腐病に特徴的な黒い入れ墨様の偽子座が観察された。り病部から糸状菌の分離したところPDA培地で白色の気中菌糸を密生し、培地裏面が黒色を呈する糸状菌が分離された。分離菌をホモプシス根腐病菌の種特異的プライマーでPCR 検査を行いホモプシス根腐病菌(Phomopsis sclerotioides Kesteren)と同定した。
(中央農試・空知農業改良普及センター本所・空知南西部支所)
きゅうりのホモプシス根腐病(細根に形成した偽子座) (小澤 原図)
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