北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
[令和2年度新発生病害虫]
たまねぎの灰色腐敗病(薬剤耐性菌の出現)
タマネギ灰色腐敗病の病原菌については、従来Botrytis allii Munn1種とされていたが、近年B. allii とB. aclada Freseniusの2種に再分類された。平成24~30年に空知、上川及びオホーツク地方の主要なたまねぎ産地から採取したたまねぎ腐敗球から分離した灰色腐敗病菌を同定し、MBC系薬剤であるチオファネートメチル剤およびベノミル剤に対する感受性検定、遺伝子解析および防除試験を実施したところ、B. acladaで耐性菌が確認された。耐性菌はB. acladaが分離された6市町村中5市町村で確認されていることから、道内に広く分布していると考えられる。耐性菌に対してはMBC系薬剤の効果が期待できないことから、本病の防除には、防除ガイドを参考に MBC 系以外の薬剤を使用する必要がある。
(中央農試・花野セ)
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