北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
[令和2年度新発生病害虫]
キャベツのヒメダイコンバエ(新寄主)
令和2年7月下旬に、美幌町のキャベツ栽培ほ場において、収穫時に結球下部に筋状の食害が確認された。食害は結球内部まで及び、ウジ型の幼虫が数頭確認され、その付近の葉は腐敗していた。幼虫を飼育したところヒメダイコンバエDelia planipalpis (Stein)の成虫が得られた。被害状況から、幼虫が結球下部から侵入し、結球内部まで食害したと考えられた。当該ほ場での発生株率は0.5%と発生量は少なかったものの、美幌町では多くのだいこんほ場で本種の被害が確認されている。
本種の発生は、過去には根室市、中標津町および釧路町などの冷涼な地域に限られていた。一方で、令和元年以降は、大空町(ブロッコリー)等のオホーツク地方内陸部でも被害が確認されていることから、本種は近年、分布域を拡大している可能性がある。
(北見農試)
キャベツのヒメダイコンバエの食害痕 (佐々木 原図)
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