北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
[令和2年度新発生病害虫]
小麦のタテスジケンモン(新寄主)
令和2年7月初旬、十勝地方南部の秋まき小麦ほ場で葉を縁から食害する鱗翅目幼虫が認められ、形態からタテスジケンモンSimyra albovenosa (Goeze)と同定した。本種は年2回発生し、蛹態で越冬する。終齢幼虫の体長は約40mmで、体色は頭殻を含めて黄白色と黒色が入り混じり、胸部腹部の背面は黒色、側面は黄白色が目立つ。また、刺毛は黄褐色のコブから束状に生じ、白色と黒色のものが混在する。蛹化は、枯葉などを綴った内部に灰褐色の繭を作り、その中で行われる。
なお、令和元年以前は道東の飼料用イネ科草地で本種による局所的な被害事例が散見されていたが、令和2年は十勝地方のチモシー草地で広範囲に発生が確認された。
(十勝農試・十勝農業改良普及センター十勝南部支所)
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