北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
[令和元年度新発生病害虫]
ぶどうのリンゴハダニ(新寄主)
令和元年7月、余市町のハウス栽培の生食用ぶどうにおいて、葉に赤色のハダニ類の寄生が認められた。寄生葉には脱色、黄化の症状があり、吸汁加害されたものと思われた。発生した園において殺ダニ剤の使用はなかった。実体顕微鏡下で観察したところ、葉の表裏両面にマルハダニ属の寄生が観察された。また、雌成虫、幼若虫、卵が同時に存在したことから、本種はぶどうを寄主として増殖しているものと考えられた。観察された外見的特徴により本種をリンゴハダニ Panonychus ulmi (Koch)と同定した。平成29年5月余市町の醸造用ブドウ、同年7月仁木町の生食用ぶどうにも同様のハダニ類の寄生が確認されていたとの報告があったが、同定には至らなかった。本種がぶどうを加害することは海外において多くの報告があるが、国内の報告例は少なく、北海道では初めてである。
(中央農試・後志農業改良普及センター北後志支所)
ぶどうのリンゴハダニ(被害の様子) (後志農改 小坂 原図)
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