北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
[令和元年度新発生病害虫]
ほうれんそうの株腐病(病原の追加)
平成30年3月、比布町の冬期間無加温栽培ハウスにおいて、収穫期のほうれんそうに葉腐れ・尻腐れ症状が発生し、播種約1ヶ月後のほうれんそうに立ち枯れ症状が発生した。り病部からは高率に単一の糸状菌が分離され、分離菌の接種によりほうれんそうの葉柄基部に腐敗を起こし、病原性が確認された。分離菌の核数は4~13(平均7.9~8.8)個、主軸菌糸幅は6.0~10.4(平均8.0~8.1)μm、菌糸の生育は5~30℃で認められ、適温は25℃、25℃における菌糸伸長速度は12.3~12.5mm/24時間であった。これらの特徴、菌糸融合反応、培養菌叢および特異的PCR検定より分離菌をRhizoctonia solani Kühn AG-2-1と同定した。ホウレンソウ株腐病については、国内ではAG-1 ,2-1,2-2,4 および5 が病原として報告されており、北海道内ではAG-1 IBとAG-4 HG-Iが病原として確認されているが、今回道内で初めてAG-2-1による株腐病の発生を確認した。
(上川農試・道南農試)
ほうれんそうの株腐病 尻腐症状 (長濱 原図)
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