北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
[平成29年度新発生病害虫]
なたねのアオチビケシキスイ(新発生)
平成29年5月、東神楽町のなたね(品種「キラリボシ」)に、体長2~3ミリほどの小型で扁平、体が青い光沢のある甲虫が多数寄生し、葉、花、蕾が食害される被害が認められた。蕾内には本種と考えられる3~4ミリほどのハムシ型幼虫が見られ、内部を食害していた。発生圃場ではこれらの食害により、花落ち、結実不良が発生し、さらには心止まり症状も見られた。これらにより、著しい減収が生じ、一部は廃耕となった。発生地では、8年前になたね栽培を始め、近年花付きが悪いとの印象があったが、虫の寄生を確認したのは本年が初めてとのことであった。発生種はアオチビケシキスイ Brassicogethes praetermissus (Easton, 1957)と同定された。Brassicogethes属はあぶらな科植物を寄主とし、国内からは2種知られているが、体の表面に青色の光沢があるのは本種だけである。国内では害虫としての報告はなく、生態は不明である。本種は、あぶらな科野菜を広く加害すると考えられることから、今後なたね以外の作物における発生に注意が必要である。
(上川農試・上川農業改良普及センター大雪支所)
写真 アオチビケシキスイ成虫(上川農試 古川 原図)
写真 アオチビケシキスイ幼虫(上川農試 古川 原図)
写真 アオチビケシキスイによる被害(上川農試 古川 原図)
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