北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
[平成29年度新発生病害虫]
ぶどうのキンケクチブトゾウムシ(新寄主)
平成29年7月上旬に、札幌市の家庭菜園に栽植された食用ぶどう果房に、ゾウムシによる加害が認められた。被害果房は食害を受けた果軸が2mm×2mm程度の大きさで黒変した。加害種は体長10mm程度で太く短い口吻を持つ黒褐色のゾウムシで、前胸背は多数の半球状隆起で覆われ、鞘翅表面に黄色の短毛群を小さなパッチ状に散生させる。これらの形態的特徴から、加害種はキンケクチブトゾウムシOtiorhynchus sulcatus Fabriciusと同定された。発生場所では、前年から同種による果房被害が認められており、成虫は7月以降に目立つようになったとのことであった。本種は平成5年に道内での発生が初めて確認された北海道外からの侵入種である。道内においても野外で越冬できることが知られており、発生地においても定着しているものと考えられた。
(中央農試)
写真 キンケクチブトゾウムシ(中央農試 岩﨑 原図)
写真 キンケクチブトゾウムシによる果梗被害(中央農試 岩﨑 原図)
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