北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
[平成29年度新発生病害虫]
りんごおよびブルーベリーのウスムラサキイラガ(新寄主)
平成29年8月上旬に、長沼町中央農試場内において、りんごの葉を食害する小型の鱗翅目幼虫が発生した。発生密度は低く、1樹あたり確認頭数は1、2頭程度であった。また、同時期に南幌町のブルーベリー園地において、葉を食害する小型の鱗翅目幼虫が発生した。30a程度の園地内に植栽したブルーベリー100株程度の大半に寄生が認められ、被害の大きい株では葉の3割程度が食害を受けた。これら幼虫は、老齢時の体長は約20mmで体形は楕円形、体色は淡緑色であった。楕円形の身体の側方および側上方にほぼ等間隔に短刺毛を伴い、この短刺毛は根元だけが太く、先端側はほぼ同程度に細い。これら形状から、加害種はウスムラサキイラガAustrapoda hepatica Inoueと同定された。本種はこれまで道内ではアロニアおよびカーランツへの加害が確認されている。
(中央農試)
写真 ウスムラサキイラガ(中央農試 岩﨑 原図)
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