北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
[平成29年度新発生病害虫]
パセリの葉柄基部褐変腐敗症(仮称・新発生)
平成23年6月、北斗市のパセリ苗で葉柄基部が褐変腐敗する症状が発生した。り病部からはAlternaria属菌が高率に分離された。PCA培地上での分離菌の分生子柄は淡褐色、大きさは13〜329 × 4.2〜6.1μmであった。分生子は、無連鎖でビークはなく、褐色、楕円形で、大きさは26〜79 × 18〜32μm、縦1〜2個、横3〜9個の隔壁を有した。GAPDH, RPB2およびTEF1の塩基配列に基づく分子系統解析を行った結果、分離菌はAlternaria petroselini (Neerg.) E.G. Simmonsと同定された。分離菌を用いた接種試験ではパセリの葉柄基部に褐変腐敗症状、葉身部に褐色斑点を呈した。我が国では、Alternaria属菌によるパセリの葉柄基部褐変腐敗症は未報告である。本症状については病名未提案である。
(道南農試・CABI-UK・渡島農業改良普及センター本所)
写真 パセリの葉柄基部褐変腐敗症(道南農試 三澤 原図)
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