北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
[平成29年度新発生病害虫]
かぶのケブカチチュウワタムシ(新寄主)
平成29年7月下旬、中札内村の家庭菜園のかぶを収穫したところ、主根に薄いワックスに覆われた淡褐色・球形のアブラムシのコロニーと多数のアリが確認され、帯広市の鳥倉英徳氏、北海道植物防疫協会の大久保利道氏によりそれぞれケブカチチュウワタムシSmynthurodes betae Westwoodとそれに随伴するトビイロシワアリTetramorium tsushimae Emery と同定された。確認されたケブカチチュウワタムシ個体はすべて無翅虫と幼虫であった。ケブカチチュウワタムシは世界的に分布し、キク科・マメ科・ナス科など多くの双子葉類作物根部に寄生する。国内での初確認は昭和56年に盛岡市内の温室内で栽培された大豆であり、道内では平成14年に家庭菜園の菜豆で発生が確認されている。体長約2mmで卵球型、体表は微細な毛で覆われ、角状管はない。触角は体長の約1/4と短く、第2節が長くて第3節とほぼ同長であることが特徴である。
(十勝農試・十勝農業改良普及センター本所)
写真 ケブカチチュウワタムシと随伴するアリ(十勝農試 三宅 原図)
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