北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構

［平成29年度新発生病害虫］

えんどうの萎凋病（新発生）

 

　

 

　平成27年８月下旬、檜山地方のさやえんどう栽培ほ場において、下葉から黄化する症状が発生した。り病株の維管束に褐変症状がみられ、褐変部分からFusarium 属菌が高頻度で分離された。分離菌の形態的特徴から、国内への侵入が警戒されているエンドウ萎凋病が疑われたため、横浜植物防疫所に同定を依頼したところ、形態的特徴と接種試験から分離菌はFusarium oxysporum Schlechtendal f.sp. pisi W.C.Snyder & H.N.Hansenと同定され、道内でのエンドウ萎凋病の発生が確定した。本病は、北米、ヨーロッパ、ロシア、オーストラリア、南アジア地域など世界各地に分布しており、国内では平成14年に愛知県で初めて確認され、平成15年に静岡県で、平成21年に和歌山県でそれぞれ確認されている。本病は土壌および種子により伝播するため、汚染土壌の移動を防止すること、健全種子を使用することが重要である。詳細は平成28年度病害虫発生予察情報第16号（特殊報第１号）を参照。

（道南農試）

写真　下葉の黄化症状（花・野菜技術センター　美濃　原図）

写真　維管束の褐変症状（花・野菜技術センター　美濃　原図）

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