北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構

[平成29年度新発生病害虫]


てんさいの褐斑病(薬剤耐性菌の出現)

 

 

 

 てんさいの褐斑病においては平成13年にDMI剤に対する感受性低下菌の発生が報告され、さらに近年では残効期間が短くなっていることが明らかとなった。ほ場での防除効果の低下が懸念されたため、平成29年に感受性の異なるテンサイ褐斑病菌を接種したほ場においてDMI剤の効果を検定した。その結果、ジフェノコナゾール乳剤、フェンブコナゾール乳剤、テブコナゾール水和剤F、テトラコナゾール乳剤において防除効果が著しく低下している菌株が確認され、これらの菌株はDMI剤の耐性菌であると判断した。

 平成26年以降に全道各地で採集したテンサイ褐斑病菌を対象にDMI剤に対する感受性を培地上で検定したところ、本剤耐性菌が全道各地に広く分布していることが確認された。なお、DMI剤耐性テンサイ褐斑病菌は本邦初確認である。本病に対する防除薬剤としてDMI剤の使用回数は可能な限り低減し、褐斑病抵抗性”強”の品種を作付するなど、薬剤防除以外の対策を積極的に講ずる。

(十勝農試)


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