北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
[平成28年度新発生病害虫]
ぶどうの晩腐病(病原の追加・国内新発生)
平成24年以降、Colletotrichum
gloeosporioides種複合体は、複数遺伝子、DNA領域による分子系統解析に基づき30以上の構成種が明らかにされた。平成22年8月に奥尻町の醸造用ぶどうの果実から分離された菌株は、形態的特徴に基づきC.
gloeosporioides種複合体に所属すると推定された。この菌株について4遺伝子・DNA領域(ACT、CAL、GAPDH、rDNA-ITS)の塩基配列に基づく分子系統解析を行った結果、奥尻島分離菌は近年中国で新種記載されたC.
viniferum と同定された。C.
viniferumによるブドウ晩腐病の発生は国内未報告であるため、同種をブドウ晩腐病の病原に追加することを提案した。
(道南農試・CABI-UK・遺伝資源センター)
写真 晩腐病による果実の腐敗症状(道南農試 三澤 原図)
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