北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構

[平成28年度新発生病害虫]


ねぎの腐敗病(新発生)

 

 

  平成274月、栗山町のハウスにおいて育苗中のねぎの葉に、約35mmの不整形灰白色病斑や僅かにくぼんだ淡白色斑点および水浸状の腐敗症状が発生した。り病組織の検鏡により菌泥の噴出が確認され、KingsB培地中に水溶性黄緑色の蛍光色素を産生するPseudomonas属細菌が均一に分離された。分離菌をねぎに穿刺接種したところ、いずれの症状から得た分離菌もややくぼんだ淡白色〜灰白色の病斑や水浸状の腐敗を生じ、接種菌が再分離された。同属のたまねぎ、にらに穿刺接種したところ、いずれに対しても病原性を示した。病原細菌はグラム陰性、OFテストは酸化型、41℃で生育せず、LOPAT試験では++++−を示し、Wa群に属した。その他の細菌学的諸性質30項目について調査したところ、Pseudomonas marginalis pv.marginalis にほぼ一致し、16S rDNAの塩基配列も99%の相同性を示した。以上のことから本病をP. marginalis pv. marginalis によるネギ腐敗病と同定した

                                                        中央農試

写真 ねぎの腐敗病(JA南そらち 尾ア 原図)


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