北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
[平成28年度新発生病害虫]
ほうれんそうの白斑病(病原の変更・追加)
平成23年11月に北斗市、平成24年10月に恵庭市のハウス栽培ほうれんそうで、収穫期の葉に淡褐色の斑点を形成する病害が発生した。北斗市分離株については、形態的特徴に基づき同定した結果をStemphylium vesicariumとして平成27年に新発生病害として報告したが、その後、4遺伝子・DNA領域(rDNA-ITS、 EF-1α、 GPD、 vmaA-vpsA)の塩基配列に基づき、分子系統解析を行った結果、Stemphylium sp. subgroup C2と再同定された。同様に恵庭市分離株は分子系統解析によりStemphylium sp. subgroup E3と同定された。Stemphylium sp. subgroup C2はネギ葉枯病と同一の病原菌である。一方、Stemphylium sp. subgroup E3はあらゆる作物において、国内未報告の病原である。
(道南農試・十勝農試・CABI-UK・農業環境変動研究センター)
写真 ほうれんそう葉の病斑(道南農試 三澤 原図)
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