北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
[平成27年度新発生病害虫]
マルメロのモモシンクイガ(新寄主)
平成27年9月上旬、北斗市のマルメロ園において、シンクイムシ類によるものと考えられる果実の被害が確認された。被害果実から羽化した成虫の体長は約7o、翅を広げた長さ(開翅長)は約17mm、翅は銀灰色の鱗毛が密生し、前翅前縁に紫灰色の大きな三角紋を有する。老齢幼虫は体長約12mm、頭部、硬皮板、肛上板とも黄褐色、胴部は乳白色で全体が紡錘形、果実脱出時には鮮紅色〜淡紅色となる。これらの形態により本種をモモシンクイガCarposina sasakii Matsumura と同定した。本種は、りんご、なし、もも、すももの重要害虫である。マルメロにおいても、これらのバラ科果樹と同様の発生経過をたどるものと考えられる。
(道南農試・技術普及課)
写真 マルメロの果実に産卵するモモシンクイガ(技術普及課 小坂 原図)
写真 モモシンクイガの幼虫食害によりにじみでる露滴(技術普及課 小坂 原図)
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