北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
[平成26年度新発生病害虫]
ブルーベリーのチャノキイロアザミウマ(新寄主)
平成26年7月下旬に、長沼町の中央農業試験場内のガラス温室で栽培されたブルーベリーで、新梢先端付近の葉が褐変硬化する症状が発生した。当該葉は、葉の上面にアザミウマの成虫、幼虫の寄生が認められた。寄生したアザミウマの、特に成虫は葉面を活発に素早く歩行した。雌成虫は体長0.8〜1.0 mm程度とやや小型で、体色は黄色、やや暗色がかった翅が幅広の腹部の正中線上に狭くたたまれる。触角は第1節のみ黄色で、第2節以降は灰褐色を呈する。また、腹部背板は両側縁付近に微細な刺毛を密生する。これらの特徴から、発生種はチャノキイロアザミウマSchirtothrips dorsalis Hoodと同定された。本種はこれまで北海道内ではトルコギキョウ、ぶどうでの加害事例があり、胆振地方のぶどうでは継続して被害が認められている。今回発生したガラス温室では、北海道外から導入した苗を養成しており、道外からの導入苗に寄生していたアザミウマが温室内で増殖、加害したものと考えられた。ブルーベリーは、露地ほ場への定植に先立って導入苗を1年程度施設内で養成する栽培法があることから、導入苗の養成栽培にあたっては、本種の寄生有無について確認をする必要があるものと考えられた。
(中央農試)
写真 ブルーベリーのチャノキイロアザイウマ病 (岩ア 原図)
写真 ブルーベリーのチャノキイロアザイウマ病被害 (岩ア 原図)
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