北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構

[平成26年度新発生病害虫]

               

  野菜類のネギアザミウマ(薬剤抵抗性個体群の出現)

 

  平成21年、空知地方のキャベツ場でネギアザミウマが激発し、従来より卓効剤として使用されてきたピレスロイド剤の防除効果が得られない事例が報告され、塩基配列決定によりナトリウムチャネル遺伝子にピレスロイド剤抵抗性となる変異遺伝子型が確認された。その後、PCR-RFLP法またはマルチプレックスPCR法により、平成22年に上川地方、平成23年に渡島、十勝地方、平成24年に石狩、胆振、檜山、オホーツク地方、平成25年に日高地方において、本剤抵抗性遺伝子を持つネギアザミウマが確認され、全道に広く分布していることが明らかとなった。本剤抵抗性ネギアザミウマが確認された作物は、たまねぎ、ねぎ、アスパラガス、キャベツ、ブロッコリー、だいこん、レタス、ほうれんそうと多種類に及んでいた。全道的に本剤抵抗性ネギアザミウマが確認されたことから、今後ネギアザミウマの薬剤防除にあたってピレスロイド剤の使用は避けるべきである。

                                                                    (中央農試)

 

16-01

写真 ネギアザミウマの成虫 (武澤 原図)

16-02

写真 ネギアザミウマの抵抗性遺伝子診断 (武澤 原図)

 

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