北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
[平成26年度新発生病害虫]
すいかの炭疽病(薬剤耐性菌の出現)
すいかの炭疽病は、平成20、21年に上川地方で多発し問題となった。本病原菌には平成元年に福井県でベノミル剤に対する耐性菌の存在が報告されていたことから、同じMBC系薬剤のうち、道内で使用実績のあったチオファネートメチル剤について薬剤感受性検定を実施した。平成23、24年に富良野市の4ほ場から得られた30菌株について本剤感受性についての簡易検定を行ったところ、いずれの菌株も本剤350 ppm(実用濃度2000倍相当)を含むPDA培地上で無添加の培地と同様の生育を示し、チオファネートメチル剤に耐性を持つことが明らかとなった。なお、現在道内におけるスイカ炭疽病の防除において、MBC系薬剤は主力の剤となっていないため、本系統薬剤耐性菌が現行の薬剤防除体系に与える影響は小さいと考えられる。
(花野セ)
写真 すいかの炭疽病 果実(西脇 原図)
写真 すいかの炭疽病 葉(西脇 原図)
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