北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構

[平成26年度新発生病害虫]


       
レタスのうどん病(新発生)

 

  平成2610月、恵庭市の結球レタス栽培場(施設栽培)において、外葉表面に白色粉状の斑点を生じる症状が発生した。病勢が進展した株では、葉の全面が白色粉状の菌そうに覆われ、黄化していた。白色病斑部を顕微鏡下で観察すると、糸状菌の分生子が多数確認された。本菌は葉の表皮に寄生した菌糸から分生子柄を生じ、分生子を鎖生する。分生子柄の基部は膨らまず、分生子は樽形〜長楕円形、大きさ27.441.4× 11.318.3 µm(平均32.4× 14.8 µm)であった。分生子発芽管や菌糸上に作られる付着器は乳頭状である。閉子の殻の形成は現在のところ認められていない。病斑部から得られた分生子をレタス(品種「春P」)に接種したところ、約10日後に白色で粉状の病斑が葉に再現された。以上のことから、本症状はEuoidium sp.による病害であることを明らかにした。レタスにはErysiphe cichoracearum によるうどん病の報告があるが、道内ではこれまで未報告であった。

                                      (中央農試・石狩農業改良普及センター本所)

07-01

写真 レタスのうどん病(高田 原図)

 

07-02

写真 レタスのうどん病(野津 原図)


新発生病害虫一覧へ戻る