北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構

[平成25年度新発生病害虫]


なしのニホンナシハモグリダニ(仮称)(新発生)


 平成25年6月、余市町の西洋なしにおいて葉が火ぶくれ状になる被害が認められた。被害部の葉裏には小孔が認められ、火ぶくれ状の虫えい内部にはフシダニ類が多数確認された。同様の被害は平成23年に札幌市の西洋なしでも認められていた。余市町の被害葉から採取された個体は法政大学の上遠野冨士夫教授によりニホンナシハモグリダニ(仮称)Eriophyes sp. と同定され、ヨーロッパなどの西洋なしやりんごなどで葉に同様の火ぶくれ症状を生じるEriophyes pyriなどとは形態的に異なる別種であることが確認された。
 平成23年に神奈川県の日本なしで本種の被害が報告されているが、余市町および札幌市の発生園地には日本なしはなく、りんごやおうとうなど他の樹種での被害は認められなかった。

(中央農試・後志農業改良普及センター北後志支所・石狩農業改良普及センター本所)


写真 ニホンナシハモグリダニによる葉の火ぶくれ症状(中央農試 武澤 原図)


写真 火ぶくれ症状となった葉の裏面(中央農試 武澤 原図)



写真 ニホンナシハモグリダニ(中央農試 武澤 原図)


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