北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構

［平成25年度新発生病害虫］

レタスのネギアザミウマ(新寄主)

　平成25年8月下旬、美幌町の露地栽培レタスで結球部に褐変症状が認められた。被害の著しい部分は茶褐色の液がしみ出ており、出荷不能となり廃耕となった。外葉の被害は軽微だが結球内部に吸汁痕が多く、芯部にまで発生が見られた。当該症状付近にはネギアザミウマThrips tabaci Lindemanの成虫および幼虫が認められた。発生ほ場は平成24年8月上旬にも同様の被害を受けており、このときの事例では隣接する立茎栽培アスパラガスほ場などからの本種の飛込みにより密度が短期間で急激に上昇し、大きな被害が生じたと考えられる。また、平成25年9月、中央農試場内のレタスほ場においても同様の結球部被害が確認され、加害種はネギアザミウマであった。このほ場では結球期以降、近隣のたまねぎほ場などからの飛込みでネギアザミウマの密度が高くなっていた。
　北海道では、レタスに対するアザミウマ加害種はヒラズハナアザミウマおよびクロゲハナアザミウマが報告されているが、いずれも外葉に対する加害であり、結球部に対する加害は本種が初めてである。

(北見農試・技術普及課・網走農業改良普及センター美幌支所・中央農試)

写真　レタスの葉を加害するネギアザミウマ（技術普及課 上堀氏 原図）

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