北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構

［平成24年度新発生病害虫］

しろたえぎくの灰色かび病（新称）

　平成23年9月、月形町のハウス栽培のしろたえぎくで、新葉が黒ずみ、かびが密生する症状が発生した。罹病部からは常法により同一性状の糸状菌が分離された。分離菌の分生子をしろたえぎくへ噴霧接種したところ、原病徴が再現され、接種菌が再分離された。分離菌の分生子柄は淡褐色、先端分岐、分生子を出芽的に形成した。分生子は楕円から倒卵型、大きさは8.7〜15.1μm×6.8〜10.8μm (L/B比1.09〜1.66)であった。分離菌の生育適温は20℃で、rDNA-ITS領域はBotryotinia cinereaと高い相同性が認められた。形態的特徴、培養特性および塩基配列から分離菌をBotrytis cinerea Persoonと同定した。本病は本邦未報告のため病名をシロタエギク灰色かび病と提案した。

（中央農試・空知農業改良普及センター本所・花き研）

写真　シロタエギク灰色かび病による葉の病徴（中央農試 栢森 原図）

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