北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構

[平成24年度新発生病害虫]


ほうれんそうのナスハモグリバエ(新寄主)


 平成24年7〜8月にかけて、旭川市及び富良野市のハウス栽培ほうれんそうにおいて、ハモグリバエの成虫による産卵および食害痕や幼虫による潜葉痕が確認され、発生種は羽化成虫の形態からナスハモグリバエ Liriomyza bryoniae(Kaltenbach)と同定された(十勝農試、岩崎同定)。これまでほうれんそうに発生するハモグリバエとして報告されているアシグロハモグリバエと比較すると、本種成虫は胸部側面の黄色部の面積が広く、脚の色彩が黄色い点が異なる。被害ハウス周辺では、本種の好適な寄主植物であるトルコギキョウやメロンが栽培されており、そのハウスでハモグリバエが多発していたことから、これらの周辺ハウスが発生源と考えられた。なお、旭川市では本種の被害により一部のハウスで廃耕となったことから、ほうれんそうハウス周辺で本種の寄主植物となる作物を作付けする場合は、それらの作物で本種に対する防除を行い、ほうれんそうハウスへの移動がないよう低密度に抑制する必要がある。

(上川農試・十勝農試・上川農業改良普及センター本所・富良野支所)


ほうれんそうのナスハモグリバエ(青木)

写真 ナスハモグリバエ幼虫による潜葉痕(上川農試 青木 原図)

01ドロオイの幼虫・小野寺

写真 ナスハモグリバエ成虫(上川農試 青木氏 原図)


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