北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構

[平成24年度新発生病害虫]


はくさいの黄化モザイク病(新発生)


 平成24年4月、北斗市のハウス栽培はくさい品種「春笑」において黄化およびモザイク症状が発生した。同様な症状は同一ロット種子由来の苗を定植した複数のハウスで発生が認められた。罹病葉を用いて汁液接種による生物検定を行ったところ、はくさい品種「王将」で原病徴が再現され、かぶ、こまつなおよびだいこんにも同様の症状を示した。しかし、キャベツ、カリフラワーおよびブロッコリーでは接種葉に局部病斑を示したが、上位葉には病徴を示さなかった。罹病葉からHaydenらのTurnip yellow mosaic virus(TYMV)特異プライマーを用いてRT-PCR反応を行ったところ、外被タンパク質(CP)領域を含む約700bpの特異的バンドが検出された。増幅産物の塩基配列を決定し、既知の配列とCP領域のアミノ酸配列相同性について検討したころTYMV(岡山株)と100%一致した。以上のことから、本症状はTYMVによる、ハクサイ黄化モザイク病と確認された。

(中央農試・道南農試・渡島農業改良普及センター本所)

はくさいの黄化モザイク病(乙部)

写真 ハクサイ黄化モザイク病による葉の症状(道南農試 乙部 原図)


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