北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構

[平成24年度新発生病害虫]


だいこんの白斑病(新発生)


 平成23年11月上旬、七飯町の収穫期の露地栽培だいこん(品種「耐病総太り」)で葉に斑点を多数形成する病害が発生した。発病株の上位葉には、径6〜11mm、周囲が淡褐色から褐色で中心部が白から灰色、楕円形の輪紋状病斑を多数形成した。下位葉では病斑が融合して葉全体が枯死した。病斑上には無色の分生子柄および分生子を形成し、分生子の連鎖は認められなかった。分生子は大きさ34.3〜75.8(平均50.5)μm×2.1〜3.1(同2.5)μm、線状から鞭状、1〜3つの隔壁を有し、離脱痕は薄かった。以上の形態的特徴より病原菌をPseudocercosporella capsellae (Ellis & Everhart) Deightonと同定した。乾燥罹病葉粉砕物を健全だいこん葉に接種したところ原病徴が再現され、病斑上には接種菌と同様の分生子を形成した。以上より本症状をダイコン白斑病と同定した。

(道南農試・渡島農業改良普及センター本所)

だいこんの白斑病(三澤)

写真 ダイコン白斑病による葉の斑点症状(道南農試 三澤 原図)


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