北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構


[平成23年度新発生病害虫]

アロニアおよびカシス(カーランツ)のウスムラサキイラガ(新寄主)

 平成238月、剣淵町のアロニアおよびカシス(カーランツ)栽培ほ場において、葉を食害する鱗翅目幼虫が発見され、ウスムラサキイラガAustrapoda hepatica Inoue と同定された。本種の終齢幼虫は、体長約20mm、緑色で全体に黄色の斑紋をちりばめ、短刺毛を持つ。体は円盤状で背方に高まり、側線部で稜を形成する。近縁種のムラサキイラガとの相違点は、ウスムラサキイラガの短刺毛は根元だけ太いのに対し、ムラサキイラガの短刺毛は全体的に太い。成虫は開張約21mm、翅色は黄褐色で、ムラサキイラガより黄色味を帯びる。外横線は外方に湾曲しながら前縁から後角の方へ入る。後角から翅底の中央に至る淡色線はしばしば淡黄褐色斑となる。年1化で、成虫は7月頃出現し、繭の中で前蛹状態のまま越冬すると考えられている。食草は、ポプラ、ヤナギ、サクラ、ウメ、クヌギ、クリなどである。

(上川農試)

23ウスムラサキイラガ・小坂

写真 ウスムラサキイラガの幼虫(技術普及課(上川農試駐在) 小坂氏 原図)


新発生病害虫一覧へ戻る