北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構


[平成23年度新発生病害虫]

みずなのリゾクトニア病(新発生)

 平成223月、北斗市のハウス栽培のみずなで収穫期に葉腐症状、平成232月には七飯町のみずなで播種1ヶ月後に立枯症状が発生した。葉腐症状は、葉柄全体が腐敗し葉身にも腐敗が達した症状と、葉身にのみ褐色の斑点を形成した症状とが確認された。立枯症状は、はじめ葉柄基部が軟化して褐変し、やがて萎凋した。罹病部からは単一の糸状菌が分離され、いずれの部位からの分離菌も接種により葉には葉腐症状、生育した株の地際部にはしり腐症状、苗には立枯症状を呈し、接種菌が再分離された。分離菌の菌糸はほぼ直角に分岐して分岐部はくびれ、分岐部付近に隔壁を形成した。菌糸幅は平均8.18.6μm、多核(平均7.29.5)であることから、分離菌をRhizoctonia solani Kuhn、本病をみずなのリゾクトニア病(キョウナリゾクトニア病)と同定した。分離菌の菌糸融合群(AG)および培養型は、菌糸融合反応、温度反応、培養菌叢、PCR反応よりAG-2-1、培養型Uと同定した。

(道南農試・渡島農業改良普及センター本所)

18ミズナリゾクトニア・三澤

写真 株での症状(道南農試 三澤 原図)


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