北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構


[平成23年度新発生病害虫]

かぼちゃのつる枯病(新症状)

 平成20年および21年に、北見市内で収穫されたかぼちゃ(西洋かぼちゃ)の果実が腐敗する症状が発生した。平成21年に真狩村、留寿都村、平成22年に由仁町、長沼町においても同様の症状が発生した。いずれも立毛中の発生は見られず、キュアリング時や貯蔵中に発生が認められた。腐敗部分の病斑は最初水浸状で、その後輪紋状に拡大する。後に灰白色綿毛状の菌糸で覆われることがあり、病斑の周辺には分生子殻が形成され、小黒点として肉眼でも確認できる。病斑部分からはウリ類つる枯病菌(Didymella bryoniae (Fuckel) Rehm)が高率に分離され、接種試験によって病徴が再現されたことから、本菌による果実腐敗と考えられた。ウリ類つる枯病菌がかぼちゃの果実を腐敗させた事例は、道内でこれまで確認されていないため、かぼちゃのつる枯病による新症状として提案した。

      (北見農試・中央農試)

17つる枯病果実・栢森

写真 果実での症状(中央農試 栢森 原図)


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