北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
[平成23年度新発生病害虫]
ほうれんそうのネギアザミウマ(新寄主)
平成23年7月、七飯町の数戸のハウス雨よけ栽培ほうれんそうにおいて、葉のひきつれや突起症状が認められた。被害株をアルコールでふるい洗いするとアザミウマ類の多数の幼虫と数頭の成虫が採取され、成虫はその形態からネギアザミウマThrips tabaci Lindeman と同定された。渡島農業改良普及センター本所において、ネギアザミウマが寄生しているほうれんそうを用いた接種試験、ならびに、露地栽培ねぎから捕獲したネギアザミウマを用いた放虫試験を実施したところ、ほうれんそうの葉のひきつれと突起症状が再現された。また、上川農試場内においてもほうれんそうに同様の被害がみられ、ネギアザミウマが確認された。国内でほうれんそうを加害するアザミウマ類はミカンキイロアザミウマ、ネギアザミウマ、ミナミキイロアザミウマ、ヒラズハナアザミウマが知られており、道内では平成6年にヒラズハナアザミウマによる被害が確認されているが、ネギアザミウマによる被害は初めてである。
(道南農試・上川農試・渡島農業改良普及センター本所)
写真 葉での症状(渡島農業改良普及センター本所 高田氏 原図)
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