北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
[平成23年度新発生病害虫]
キャベツのホソバハイイロハマキ(新寄主)
平成23年6月、中央農試無防除キャベツほ場(定植2週後)において、下位葉の表を内側に2つ折りに巻き、その内側から葉を食害する鱗翅目幼虫が認められた。加害虫は、羽化成虫によりホソバハイイロハマキCnephasia stephensiana stolidana (Walker) と同定された。本種成虫は、開張約18mm、前翅の地色は淡灰色から淡灰褐色でやや濃色の斑紋を有するが、色彩の濃淡および斑紋には個体差がある。終齢幼虫は、体長20mm程度、頭部は黒色、胴部は灰色で、各体節に黒色瘤を有する。成虫は5月から8月に見られ、ナシヒメシンクイのフェロモントラップに誘殺されることが知られているが、平成23年7〜8月に、中央農試りんご園に設置されたスモモヒメシンクイのフェロモントラップにも本種の誘殺が確認され、また、7月上旬に後志地方のプルーン園のスモモヒメシンクイのフェロモントラップにも本種の多数誘殺が確認された。幼虫は多食性で、りんご、てんさい、いちご、クローバ等の農作物を加害するとされており、中央農試場内において、同様の被害および加害幼虫がりんごおよびてんさいでも確認された。
(中央農試)
写真 ホソバハイイロハマキの幼虫(中央農試 武澤 原図)
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