北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構


[平成23年度新発生病害虫]

てんさいのハスモンヨトウ(新寄主)

 平成239月、江別市のてんさいほ場内の1地点で、隣接する複数の株にヨトウガ中・老齢幼虫による被害と類似した中型の食痕が認められた。同年はヨトウガの発生が極めて少なかったため加害虫を確認したところ、ヨトウガとは異なる鱗翅目の中齢幼虫が複数頭認められた。当該幼虫は、灰黒色の身体に黄色の縦条(背線)、各節背側方に黒色三角紋を持ち、腹部第1節の黒色紋が大きく目立つ。羽化成虫は前翅に斜行する斑紋を持ち、これらの形状によりハスモンヨトウSpodoptera litura (Fabricius)と同定された。本種は休眠性を示さず、道内へは南方から成虫が飛来してくるものと考えられている。近年では、平成12年と17年に野菜類や大豆で加害が確認されている。               

(中央農試)

11ハスモンヨトウ幼虫・岩崎

写真 ハスモンヨトウの幼虫(中央農試 岩崎 原図)


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