北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構


[平成23年度新発生病害虫]

ばれいしょのネギアザミウマ(新寄主)

 平成238月、長沼町の中央農試場内のほ場で、ばれいしょの葉裏が銀褐色に変色する症状が認められた。当該症状の見られる葉には、ネギアザミウマThrips tabaci Lindemanの成幼虫が認められた。本種は広食性で、好適寄主であるたまねぎの枯凋期頃には近隣の多様な作物上で発生が認められるが、発生ほ場では寄生により葉裏に上述のような症状が生じたこと、成虫だけでなく幼虫も認められたことから、ばれいしょ上で定着、増殖して加害しているものと考えられた。同ほ場では、殺虫剤を散布していない区画で被害が大きく、8月中旬には防除実施区画と比較して明らかに早い枯れ上がりが認められた。8月下旬にこれらの区画の収量を比較したところ、無防除区画では防除実施区画と比較して顕著な収量減が認められた。この減収は、本種の加害による葉質の劣化と枯れ上がりの早期化に起因するものと考えられた。

  (中央農試)

10いものネギアザミウマ・岩崎

写真 葉裏の症状(中央農試 岩崎 原図)


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