［平成23年度新発生病害虫］

小豆の萎凋病（新レース）

平成23年7月、名寄市の小豆「きたろまん」（萎凋病レース3抵抗性）栽培ほ場において、2枚目付近の本葉に縮葉や黄化する症状が発生し、この症状はほ場全面で認められた。抜き取った株の維管束は褐変しており、定法により組織からの分離を行ったところ、同一の糸状菌が高頻度で分離され、分離菌は形態的特徴からFusarium oxysporum と判断された。分離菌株を萎凋病レース3抵抗性品種「きたろまん」、「きたのおとめ」、「しゅまり」および萎凋病レース3抵抗性判別品種「十育123号」に接種したところ、いずれの品種にも葉の縮葉、葉脈のえそおよび維管束の褐変が確認され、接種菌株と同じ糸状菌が再分離された。レース3抵抗性品種に対する病原性が確認されたことから、本菌はアズキ萎凋病の新レースであると判断され、レース4とした。現在のところ、レース4が確認されたほ場は上記ほ場のみである。

（上川農試・中央農試・上川農業改良普及センター名寄支所）

写真　株の症状（上川農試 小松 原図）

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