北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
昭和61年5月、栗沢町のハウス内キュウリ苗で、台木のカボチャの子葉にササラダニ類が多数寄生し食害しているのが認められた。加害により子葉には多数の小孔があき、一部は、キュウリの本葉にも寄生したため、縮葉となった。発生は、育苗床のほぼ全株にわたった。
林業試験場福山研二氏により、加害の主な種類はサカモリコイタダニ、Oribatussakamorii Aokiと同定された。本種は体長約0.4mmで外皮が堅く、茶褐色を呈し、一見して甲虫のようである。これまでの農作物の被害例として、愛知県のビニールハウスのメロン果実に斑点を生ずることが知られている。
本種は裸地に敷き藁などをした人為的環境によく出現する種とされ、栗沢町でも保温資材として稲藁を育苗床の下に入れ、熱線で加温していた。4月15日に稲藁 50g中から15頭が検出されており、これが増加し、地上部にはい出して加害したものと考えられる。なお、本年5月に夕張市メロンでも同様の被害例が認められた。