北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
病原菌 Cristulariella pyramidalis Waterman & Marshall.昭和61年9月(初発生8月中旬)、池田町のブドウ(品種:キヨミ、フランス交配種のセイベル系統)畑約2.5haに、葉に大型の円形〜不整形の褐変した輪紋状病斑を生じ、急激に枯死落葉する病害が発生した。
病葉の裏面には白色、微細なピラミッド形の菌糸(sporophores)が多数みられ、これを湿室に置くとsporophores から菌糸が伸長して phialideを生じ、径2〜4μmの無色球形のphialoconidia が形成される。さらに、罹病葉上には最初白色で、後に黒色となる径1〜4mmのほぼ球形の菌核が散生される。以上の結果から、本病は環紋葉枯病、病原菌はC.pyramidalis
と同定された。
本病は冷涼で長雨が続く多湿な時期に発生しやすいとされている。また、本菌の寄主範囲は広く、日本ではヘクソカズラ、ツルアジサイ、サルスベリ、エノキ、フウ、クズ、トネリコバノカエデ、ノブドウ、クワなど12科13属13種の植物で発生が認められている
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