北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構

[昭和61年度新発生病害虫]

Verticillium nigrescens Pethybrige による馬鈴しょの半身萎ちょう病(新発生)

(1986年−昭和61年)


 昭和61年8月に中川郡美深町の馬鈴しょ栽培圃場に茎葉の黄化ならびに萎ちょうを示す株が発見された。この異常株は上記の外観の変化とともに茎の横断面に維管束の褐変が観察され、この異常株の基部から高率に Verticillium nigrescensが分離された。
 また分離菌の接種試験によって病徴が再現され、病原性を確認した。Verticillium nigrescens による馬鈴しょの病害については、既に昭和58年に北澤・佐藤によって札幌市の北海道農業試験場内圃場での発生が報告され(日植病報50巻5号641−642、昭和59年)、ジャガイモ半身萎ちょう病の一病原菌としたが、道内の一般馬鈴しょ栽培圃場での発生は今年始めて確認された。
 本病の発生生態および防除法については、未だ不詳の面が多いが、土壌伝染性の病害であること、罹病株の塊茎からも低率であったが病原菌が分離されたことから、今後道内一般馬鈴しょ栽培圃場においても警戒すべき病害であり、当面、輪作の励行、発生株の抜き取り等の対応が必要であろう 。

(北農試、病1研)


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