春まき小麦を初冬にまくとは?
<春まき小麦の究極の早まき栽培法「初冬まき栽培」>
(太字は下欄に用語解説)

   
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 北海道の小麦は,9月に種をまく秋まき小麦と,4〜5月に種をまく春まき小麦があり,それぞれ適する品種が異なります。春まき小麦の特徴は,秋まき小麦に比べて生育期間が短いこと,収穫時期が遅く雨にあたりやすいことから,収量が低く,それが欠点といえます。また,春まき小麦は国産小麦の中では,パン作りにとても向いていることから人気が高く,需要が供給を大きく上回っています。

 春まき小麦をたくさん収穫するには,できるだけ早い時期にまくことが重要です。初冬まきは,雪が積もる直前に種をまき,雪の下で発芽させ,雪が融けると同時に生育を再開させることができる,いわば「究極の早まき栽培法」です。

 この栽培法ができる場所は,北海道中央部の土が凍らない地帯です。春まき小麦は発芽した後に雪が積もると春までに腐ってしまいますが,種のままで積雪を迎えると,今度は雪の下でゆっくり発芽します。このため,種は根雪のなるべく直前にまくことが重要です。そして,雪が融けると同時に生育を開始し,標準的な春の種まき時期には,初冬まきでは既に葉が3〜4枚程度出ている状態になります。その後も生育が早く進み,成熟期は7〜10日程度早まります。生育が旺盛な分,肥料も多く与えることができ,収量は一般の春まき栽培に比べて30〜40%程度多くなります。

 春まき小麦が初冬まきにより作られている面積は,平成13年には全道(主に石狩・空知・上川管内)で約200haでしたが,平成14年には推定で700ha程度に広がり,春まき小麦全体のほぼ1割を占めるに至りました。このうち,江別市が300ha程度と,大きな産地になっています。
写真1 雪の下で発芽する
春まき小麦(原寸55KB)
写真2 雪が融けた直後の
様子(原寸96KB)
写真3 初冬まき(左)は
春まき(右)より 生育が早く
進む(原寸91KB)
画像をクリックすると原寸の画像が見られます。
 

○適する品種:平成14年には,秋まき小麦では「ホクシン」が,春まき小麦では「ハルユタカ」がもっとも多く作られています。

○収穫前に雨にあたると:穂の中で発芽することがあり,その場合パンや麺にした場合の品質が悪くなります。

○雪の下で発芽するの?:土が凍っていなければ,地温は+0.5℃程度で保たれており,小麦は2か月程度かかってゆっくりと発芽します。

 
 
関連リンク  平成8年成績概要書  平成11年成績概要書  初冬まきの頁
ほっかいどうの小麦
「ホクシン」成績概要書 「ハルユタカ」成績概要書
 
 このページについては,中央農試 作物開発部 畑作科
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