平成13年度 病害虫発生予察情報 第19号
10月月報
平成13年11月12日 北海道病害虫防除所
(連絡先:予察課 Tel.01238(9)2080(内)323
Fax.01238(9)2082)
気象概況
A.秋まき小麦
I.気象概況
(札幌管区気象台発表 北海道地方気象速報)
──『並温・並雨・寡照』低気圧の影響で前半に局地的大雨、降水量の地域差大──
期間の前半は低気圧の影響で太平洋側やオホーツク海側では局地的に大雨となり、月合計で太平洋側は多雨、日本海側は少雨と降水量の地域差が大きかった。気温は、オホーツク海側を中心に上旬は全道的に低く、その後高めとなったが、周期的に寒気が入り寒暖の変動が大きかった。日照時間は太平洋側を除いて少なかった。
上旬:1〜3日は低気圧が発達しながら三陸沖と北海道の南岸を通過した影響で全道的に雨が降った。特に2〜3日は東部を中心に大雨や暴風など大荒れの天気となり、総降水量は北見市仁頃山で150ミリ、最大風速は2日えりも岬で26メートル。また、峠では積雪状態となり交通障害等が発生した。4日は高気圧の張り出しで概ね晴れたが、東部では雨の降った所があった。なお、北見市では土砂崩れによる災害が発生した。5〜6日は低気圧の通過で全道的に雨が降り、南西部では雷雨の所があった。7〜9日は高気圧に覆われ概ね晴れた。10日は北部で晴れたが、その他の地方は低気圧の接近で曇って南西部では雨が降った。
中旬:11〜12日は動きの遅い低気圧の影響で全道的に雨が降り、特に太平洋側では雷を伴い大雨となった。総降水量は白老町森野298ミリ、登別市カルルス289ミリ等。13〜14日は気圧の谷や寒気の影響で曇りの所が多く、日本海側やオホーツク海側では雨や雷雨となったが、14日は太平洋側で晴れた。15日は高気圧に覆われ全道的に晴れたが、初め東部で雨の降った所があった。16〜17日は寒冷前線の通過に伴い、北部や日本海側で雨や雷雨となった。通過後は太平洋側で晴れたが、日本海側では寒気の影響でしぐれて、稚内では17日に初雪を観測した。18〜20日は移動性高気圧に覆われ全道的に晴れたが、18日の前半は日本海側で雨の降った所があった。
下旬:21〜22日は気圧の谷が北海道の北を通過し北部で雨や雷雨の所があったが、太平洋側では晴れた。23日は低気圧が発達しながら北海道の南を通過し、太平洋側を中心に雨となった。24〜25日は千島近海に進んだ低気圧や寒気の影響で、日本海側やオホーツク海側で曇りや雨となり、25日には旭川、紋別、北見枝幸で初雪を観測した。26〜27日は高気圧に覆われ太平洋側を中心に晴れたが、気圧の谷の影響で日本海側では雨や雷雨の所があった。28〜29日は低気圧が北海道付近を通過し、全道的に雨が降り南西部では雷雨の所もあったが、通過後は太平洋側を中心に晴れた。30〜31日は日本海側で曇った所もあったが、高気圧に覆われ概ね晴れた。
気候表
|
気温偏差 |
階級 |
降水比 |
階級 |
日照比 |
階級 |
北海道22地点平均 |
+0.2℃ |
並 |
103% |
並 |
90% |
少 |
太平洋側8地点平均 |
+0.1℃ |
並 |
132% |
多 |
94% |
並 |
オホーツク海側4地点平均 |
-0.2℃ |
並 |
113% |
並 |
85% |
少 |
日本海側10地点平均 |
+0.5℃ |
高 |
76% |
少 |
89% |
少 |
II.病害虫発生概況
A.秋まき小麦
- 1.赤さび病 発生期 遅 発生量 やや少
- 予察ほにおける初発はいずれの地点でも遅く、発生量は少ない。
一般ほでは空知支庁管内の一部で多発している。なお、赤さび病は秋期に薬剤防除を必要としない。
赤さび病 予察ほにおける初発期
地点 |
品種名 |
初発月日 |
平年数 |
本年 |
平年 |
長沼町 |
チホクコムギ |
10月24日 |
10月10日 |
10 |
ホクシン |
10月19日 |
10月13日 |
7 |
訓子府町 |
赤銹不知1号 |
10月27日 |
10月21日 |
10 |
チホクコムギ |
10月28日 |
10月20日 |
10 |
ホクシン |
10月28日 |
10月16日 |
2 |
芽室町 |
チホクコムギ |
10月31日 |
10月16日 |
2 |
ホクシン |
10月30日 |
10月15日 |
4 |
赤さび病 病斑面積率と発病度(10月6半旬)
地点 |
品種名 |
病斑面積率 |
平年数 |
発病度 |
平年数 |
本年 |
平年 |
本年 |
平年 |
長沼町 |
チホクコムギ |
0.00 |
0.10 |
2 |
0.97 |
7.97 |
10 |
ホクシン |
0.01 |
0.19 |
2 |
1.10 |
10.29 |
7 |
訓子府町 |
赤銹不知1号 |
0.04 |
0.16 |
10 |
|
チホクコムギ |
0.03 |
0.08 |
10 |
ホクシン |
0.02 |
0.04 |
2 |
芽室町 |
チホクコムギ |
0.02 |
0.05 |
2 |
ホクシン |
0.05 |
0.13 |
2 |
注)長沼町:窒素5割増。
- 2.うどんこ病 発生期 やや遅 発生量 少
- 各予察ほにおける初発はやや遅く、発生量はいずれの地点でも少ない。
うどんこ病 予察ほにおける初発期
地点 |
品種名 |
初発月日 |
平年数 |
本年 |
平年 |
長沼町 |
チホクコムギ |
10月17日 |
10月17日 |
10 |
ホクシン |
10月22日 |
10月18日 |
7 |
訓子府町 |
チホクコムギ |
10月11日 |
10月5日 |
10 |
ホクシン |
10月12日 |
10月10日 |
2 |
芽室町 |
チホクコムギ |
10月16日 |
10月14日 |
3 |
ホクシン |
10月24日 |
10月15日 |
4 |
赤さび病 病斑面積率と発病度(10月6半旬)
地点 |
品種名 |
病斑面積率 |
平年数 |
発病度 |
平年数 |
本年 |
平年 |
本年 |
平年 |
長沼町 |
チホクコムギ |
0.01 |
0.02 |
2 |
0.83 |
5.71 |
10 |
ホクシン |
0.01 |
0.02 |
2 |
0.61 |
2.31 |
7 |
訓子府町 |
チホクコムギ |
0.36 |
4.95 |
10 |
|
ホクシン |
0.10 |
0.42 |
2 |
芽室町 |
チホクコムギ |
0.16 |
0.39 |
2 |
ホクシン |
0.10 |
0.17 |
2 |
注)長沼町:窒素5割増。
病害虫発生予察情報一覧へ戻る
ホームページへ戻る