7月上旬からいもち病に最適な天候が続いています。
葉いもち発生予測システム(BLASTAM)によると、全道各地で、感染好適日・準好適日が7月上旬からかなりの頻度で現れています。岩見沢市・比布町の予察田では、発病が拡がっており、病斑も湿潤型で、今後急激に蔓延する危険が高いと思われます。
育苗箱施用・水面施用剤を散布した場合も、7月下旬には効果が切れるため、その後の防除の如何により甚大な被害となる可能性があります。
ほ場をよく観察して発病を見逃さないように注意し、発病が見られた場合は、直ちに茎葉散布を行いましょう。

1. 発生地域　　全道
   
   
2. 発生程度 　やや多
   
   
3. 注意報発令の根拠
   1. BLASTAMによると7月上旬以降全道各地で感染好適日・準好適日が出現した（付表：BLASTAMによる感染好適日）。
   2. 岩見沢市・比布町の予察田では平年より早〜やや早に葉いもちの初発が見られた。現在の発生状況は平年より多い。大野町ではさし苗にのみ発生が見られている。
      
      

      いもち病の発生期

      地点	品種名	さし苗初発		さし苗初発 平年数	本田初発		本田初発 平年数
      		本年	平年		本年	平年
      大野町	きらら397	6月25日	6月28日	1	-	7月7日	1
      	しまひかり	7月6日	7月5日	5	-	7月14日	10
      岩見沢市	キタヒカリ	6月18日	6月25日	10	7月6日	7月12日	10
      	きらら397	6月15日	7月5日	10	7月5日	7月28日	10
      比布町	きらら397	6月20日	6月28日	5	7月12日	7月18日	7
      	ほしのゆめ	6月20日	6月19日	3	7月12日	7月15日	5

      
      

      7月2半旬のいもち病の発生状況

      地点	品種名	発病株率		発病度		平年数
      		本年	平年	本年	平年
      大野町	きらら397	0.00	16.00	0.00	4.00	1
      	しまひかり	0.00	3.00	0.00	0.75	10
      岩見沢市	キタヒカリ	12.00	1.60	3.00	0.40	10
      	きらら397	8.00	0.60	2.00	0.15	10
      比布町	きらら397	32.00	0.57	9.00	0.14	7
      	ほしのゆめ	76.00	0.80	19.00	0.20	5

      
      
   3. 現在の主要作付品種のいもち病抵抗性は弱〜やや弱である。
   4. 檜山・空知・留萌支庁管内の一部で発生が見られている。
   
   
4. 防除対策
   1. ほ場や畦畔に取置き苗を放置している場合は、直ちに処分する。
   2. 常発地域や昨年多発したほ場では、特に注意して観察する。下葉から発病するため、株をかき分けて観察しないと病斑を見逃すので注意する。特に葉色の濃い所で発病しやすい。
   3. 発病した場合は直ちに茎葉散布を行う。その際、むらがないように均一に十分量散布する。
   4. 育苗箱施用・水面施用を行ったほ場でも、今後薬剤の効果が切れてくるので、安心せずに観察を行い、状況に応じて茎葉散布を行う。　
   5. 穂いもち防除の1回目は出穂期とし、適期を失しないように注意する。特に有人ヘリによる防除では適期に散布できない場合があるので、状況に応じて地上散布を行う。

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