昨年に引き続きアワヨトウの多飛来が認められています。本種は長距離飛来性の害虫で、飛来した成虫が産卵し、ふ化した幼虫が作物を食害することによって被害が発生します。
全道規模の飛来は確認されていませんが、秋田県、青森県および道南農試(大野町)の予察灯で多数の成虫が捕殺され、空知支庁管内の岩見沢市、滝川市、留萌支庁管内の増毛町、羽幌町で成虫が確認されています。特に青森県では昭和62年の大発生以来の多飛来となっています。北海道では今のところ道南農試以外では多飛来は確認されていませんが、日本海側を中心にかなりの飛来があったと推測されます。このため、幼虫の多発と被害の発生が懸念され、特に牧草地、麦類およびとうもろこしなどのイネ科作物で注意が必要です。
現段階は産卵期と考えられますが、卵は約10日間程度でふ化することから、幼虫および食害の発生は6月中旬から下旬になると推測されます。
なお、本種と併せてネキリムシであるタマナヤガの飛来も道南農試で確認されているので、昨年ネキリムシが多発した地域では小豆やキャベツなどのアブラナ科野菜などで注意が必要です。
本年 | 昨年 | |||
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誘殺数 | 雄 | 雌 | 合計 | 合計 |
5月6半旬 | 0 | 0 | 0 | 10 |
6月1日 | 0 | 0 | 0 | 1 |
2日 | 1 | 2 | 3 | 1 |
3日 | 3 | 1 | 4 | 0 |
4日 | 1 | 1 | 2 | 0 |
5日 | 1 | 3 | 4 | 0 |
6日 | 20 | 49 | 69 | 0 |
7日 | 1 | 4 | 5 | 0 |
8日 | 0 | 5 | 5 | 0 |
9日 | 0 | 11 | 11 | 0 |
10日 | 1 | 8 | 9 | 0 |