平成13年度 病害虫発生予察情報 第6号

注意報第2号

平成13年6月11日 北海道病害虫防除所

(連絡先:予察課 Tel.01238(9)2080(内)323

     Fax.01238(9)2082)


アワヨトウ成虫多飛来
幼虫の早期発見と、適切な防除を!

昨年に引き続きアワヨトウの多飛来が認められています。本種は長距離飛来性の害虫で、飛来した成虫が産卵し、ふ化した幼虫が作物を食害することによって被害が発生します。
全道規模の飛来は確認されていませんが、秋田県、青森県および道南農試(大野町)の予察灯で多数の成虫が捕殺され、空知支庁管内の岩見沢市、滝川市、留萌支庁管内の増毛町、羽幌町で成虫が確認されています。特に青森県では昭和62年の大発生以来の多飛来となっています。北海道では今のところ道南農試以外では多飛来は確認されていませんが、日本海側を中心にかなりの飛来があったと推測されます。このため、幼虫の多発と被害の発生が懸念され、特に牧草地、麦類およびとうもろこしなどのイネ科作物で注意が必要です。
現段階は産卵期と考えられますが、卵は約10日間程度でふ化することから、幼虫および食害の発生は6月中旬から下旬になると推測されます。
なお、本種と併せてネキリムシであるタマナヤガの飛来も道南農試で確認されているので、昨年ネキリムシが多発した地域では小豆やキャベツなどのアブラナ科野菜などで注意が必要です。


  1. 発生地域  渡島から宗谷支庁管内にかけての日本海側地帯で、特に昨年多発した地帯。

  2. 発生程度  やや多〜多

  3. 注意報発令の根拠
    1. 大野町では6月2日以降予察灯でアワヨトウの飛来が確認されている。また、青森県でも日本海側と津軽海峡の沿岸側で5月6半旬以降多飛来が認められている。
    2. 空知、留萌支庁管内で成虫が確認されており、日本海側を中心に飛来があったと推測される。

      大野町の予察灯による誘殺数
        本年 昨年
      誘殺数 合計 合計
      5月6半旬 0 0 0 10
      6月1日 0 0 0 1
      2日 1 2 3 1
      3日 3 1 4 0
      4日 1 1 2 0
      5日 1 3 4 0
      6日 20 49 69 0
      7日 1 4 5 0
      8日 0 5 5 0
      9日 0 11 11 0
      10日 1 8 9 0

  4. 防除対策
    1. 若令から中令幼虫期の防除効果が高いので、幼虫の早期発見に努め、黒化型の幼虫を確認した場合には薬剤散布による防除を実施する。なお、若令から中令期は6月中旬から7月上旬と推測される。
    2. 薬剤散布を行った草地には、原則として散布後少なくとも7日間は家畜を放牧しない。また、採草給与をしない。
    3. その他の事項は「北海道農作物病害虫防除基準」に準拠して実施する。


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