平成12年度 病害虫発生予察情報 第26号

10月月報

平成12年11月14日 北海道病害虫防除所

(連絡先:予察課 Tel.01238(9)2080(内)323

     Fax.01238(9)2082)

 

気象概況
A.秋まき小麦

I.気象概況

──『高温・少雨・並照』中旬強い寒気で早い初雪──

上旬は、動きの遅い低気圧の影響で、日本海側やオホーツク海側を中心に、曇りや雨の日が多かったが、気温は高く経過した。その後は高気圧と低気圧が交互に通過し、天気は周期的に変わったが、特に中旬は低気圧通過後、強い寒気が入り、18日には道内の多くの地点で平年より早い初雪を観測した。

上旬:1〜3日は低気圧や上空の寒気の影響で、全道的に雨が降り、特に南西部や日本海側を中心に雷を伴って激しい雨が降った。なお、南西部では浸水やがけ崩れ等の被害が発生した。日降水量は1日白老105ミリ、稚内88ミリ、2日大滝76ミリ、早来町安平67ミリ、3日南茅部132ミリ、函館市蛾眉野59ミリ。総降水量は南茅部149ミリ、白老115ミリ、稚内102ミリ等。4〜5日は上空に寒気を伴った低気圧の影響で、北部を中心に雨が降り、雷を伴った所もあった。総降水量は豊富39ミリ等、多い所で20〜40ミリ。6〜7日は北部を気圧の谷が通過し、北部や日本海側で雨が降ったが、太平洋側では晴れた。8〜9日は前線を伴う低気圧が北海道の北を通過し、北部や日本海側を中心に大雨となった。総降水量は、天塩140ミリ、歌登135ミリ、中川127ミリ、北見枝幸98.5ミリに達し、北部を中心に土砂崩れや洪水等が発生した。10日は高気圧に覆われ、全道的に晴れた。

中旬:11日は寒冷前線が接近し、日本海側で夕方から降り始めた雨が次第に全道に広がった。12日は寒冷前線後面の強い寒気の影響で、北部や日本海側の所々で雨が降ったが、その他の地方では晴れた。総降水量は日本海側を中心に20〜40ミリ。13日は弱い冬型の気圧配置となり、北部や日本海側を中心に曇りや雨となった所があったが、その他は晴れた。14日は高気圧に覆われ晴れた所が多かったが、日本海側や南西部を中心に、気圧の谷の影響で雨が降った所もあった。15日は寒冷前線が通過し、日本海側を中心に雨が降り、雷となった所もあった。日降水量は積丹町美国33ミリ、小平町達布22ミリ等。16〜17日は高気圧に覆われ概ね晴れたが、17日は北部を中心に雨が降った。18日は寒冷前線が通過し、上空に強い寒気が入った影響で大荒れとなり、道内のほとんどの地点で初雪を観測した。19日は高気圧に覆われ概ね晴れたが、日本海側の一部で曇った所があった。20日は初め晴れたが、寒冷前線が接近し南西部で夕方から雨が降り始めた。

下旬:21日は寒冷前線が通過し全道的に雨となったが、昼前から北部を除き晴れた。22日は高気圧に覆われ晴れた所が多かったが、北部やオホーツク海側では、上空の寒気の影響で弱い雨が降った。23〜24日は高気圧に覆われ晴れたが、23日は弱い気圧の谷の影響で所々で曇った。25日は寒冷前線が通過し全道的に雨が降った。降水量は日本海側北部や太平洋側西部の多い所で10〜20ミリ。26〜27日は上空に強い寒気が入って、北部や日本海側ではしぐれて雪や雨が降ったが、太平洋側やオホーツク海側では概ね晴れた。28〜31日は高気圧に覆われ、概ね晴れたが、31日は日本海側を中心に、弱い気圧の谷の影響で曇りや雨となった。

気候表
  気温偏差 階級 降水比 階級 日照比 階級
北海道22地点平均 +0.5℃ やや高 68% やや少 97%
太平洋側8地点平均 +0.6℃ やや高 45% やや少 112% やや多
オホーツク海側4地点平均 +0.2℃ 79% 94% やや少
日本海側10地点平均 +0.5℃ やや高 81% やや少 87% やや少


II.病害虫発生概況

A.秋まき小麦

1.赤さび病   発生期  並〜やや遅   発生量  並
予察ほにおける初発は、長沼町および芽室町では平年より遅く、訓子府町ではやや早かった。発生量は、長沼町では平年より少なく、訓子府町では平年並、芽室町では平年より多く推移している。

赤さび病 予察ほにおける初発期
地点 品種名 初発月日 平年数
本年 平年
長沼町 チホクコムギ 10月17日 10月6日 10
ホクシン 10月16日 10月12日 6
訓子府町 赤銹不知1号 10月17日 10月21日 10
チホクコムギ 10月17日 10月20日 10
ホクシン 10月17日 10月15日 1
芽室町 チホクコムギ 10月26日 10月11日 1
ホクシン 10月26日 10月15日 3

赤さび病 病斑面積率と発病度(10月6半旬)
地点 品種名 病斑面積率 平年数 発病度 平年数
本年 平年 本年 平年
長沼町 チホクコムギ 0.03 0.18 1 3.25 8.56 10
ホクシン 0.06 0.32 1 5.26 11.12 6
訓子府町 赤銹不知1号 0.11 0.15 10  
チホクコムギ 0.08 0.10 10
ホクシン 0.04 0.05 1
芽室町 チホクコムギ 0.07 0.03 1
ホクシン 0.24 0.02 1
注)長沼町:窒素5割増。

2.うどんこ病   発生期  並〜やや遅   発生量  やや少
予察ほにおける初発は、長沼町ではやや早〜並、訓子府町では並〜やや遅、芽室町では平年より遅かった。発生量は、長沼町および訓子府町の「ホクシン」で平年より多いほかは、いずれの地点においても平年より少なく推移している。
うどんこ病 予察ほにおける初発期
地点 品種名 初発月日 平年数
本年 平年
長沼町 チホクコムギ 10月17日 10月16日 10
ホクシン 10月15日 10月19日 6
訓子府町 チホクコムギ 10月7日 10月4日 10
ホクシン 10月9日 10月10日 1
芽室町 チホクコムギ 10月23日 10月10日 2
ホクシン 10月23日 10月11日 3

赤さび病 病斑面積率と発病度(10月6半旬)
地点 品種名 病斑面積率 平年数 発病度 平年数
本年 平年 本年 平年
長沼町 チホクコムギ 0.02 0.02 1 2.40 6.79 10
ホクシン 0.04 0.02 1 3.29 2.15 6
訓子府町 チホクコムギ 0.66 7.77 10  
ホクシン 1.99 0.18 1
芽室町 チホクコムギ 0.02 0.76 1
ホクシン 0.05 0.28 1
注)長沼町:窒素5割増。

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