平成12年度 病害虫発生予察情報 第12号
7月予報
平成12年6月 27日 北海道病害虫防除所
(連絡先:予察課 Tel.01238(9)2080(内)323
Fax.01238(9)2082)
季節予報(付記)によれば、7月の天気は周期的に変化するが、オホーツク海高気圧の影響は一時的で、平年に比べて晴れて暑い日が多いと予報されています。
このようなことから、多めの発生が予想される病害虫は、水稲の葉いもち、ヒメトビウンカ、フタオビコヤガ、アカヒゲホソミドリカスミカメ、小麦の赤さび病、小豆のハダニ類、マメアブラムシ、てんさいの褐斑病、ヨトウガ、りんごの黒星病、斑点落葉病、たまねぎのネギアザミウマ、あぶらな科野菜のヨトウガ、果菜類のハダニ類があげられます。
A.水稲
B.小麦
C.豆類
D.ばれいしょ
E.てん菜
F.りんご
G.たまねぎ
H.あぶらな科野菜
I.野菜類全般
季節予報
いもち病(葉いもち) 発生期:やや早 発生量:やや多
- 発生経過と予報の根拠
- 主要な作付品種の葉いもち抵抗性は弱〜やや弱である。
- 岩見沢市・比布町の予察田で、さし苗に発病が見られた。
地点 |
品種名 |
さし苗初発期 |
本年 |
平年 |
大野 |
きらら397 |
未発生 |
- |
しまひかり
| 未発生 |
7月7日 |
岩見沢 |
きらら397 |
6月19日 |
6月24日 |
キタヒカリ
| 6月21日 |
7月7日 |
比布 |
きらら397 |
6月24日 |
6月29日 |
ほしのゆめ
| 6月21日 |
6月19日 |
- 7月の気温は平年より高く降水量は平年並と予報されている。
- 防除対策
- 取り置き苗を処分する。畦畔にあげたり裏返しにされた苗でも発生源になるため、土中に埋没するなどして処分する。
- 葉いもちは初発予測システムBLASTAMを参考にし、好適日・準好適日の出現約1週間後にほ場を見回り、早期発見に努める。特に常発地帯や前年度多発したほ場では注意する。本病は多肥で発生しやすいため、葉色の濃い部分を特に注意して観察する。
- 窒素質肥料の過剰な分追肥はさける。
- 穂いもち防除の1回目は出穂期とし、適期を失しないように注意する。特に有人ヘリによる防除では適期に散布できない場合があるため状況に応じて地上散布を行う。
ヒメトビウンカ 発生期:既発(並) 発生量:やや多
- 発生経過と予報の根拠
- 前年秋期の発生量は全道的に多かった。
- 岩見沢市、比布町および大野町の予察田では5月の成虫発生量は多く、6月に入っても平年より多めに推移している。また、各普及センターからの報告でも発生は多めとなっている。
- 7月は気温が高く降水量は平年並と予報されていることから、発生量は平年より多めのまま推移すると予想される。
イネハモグリバエ 発生量:少
- 発生経過と予報の根拠
- 前年の発生量は、日本海側で多めとなったものの、全道的には平年並の発生量であった。
- 岩見沢市および大野町の予察田では第1回成虫の発生が認められていないことから、第2回成虫の発生も少ないと考えられる。
イネドロオイムシ 発生期:既発(やや早) 発生量:並
- 発生経過と予報の根拠
- 前年の発生量は、石狩・空知支庁管内でやや多となったものの、全道的には平年並の発生量であった。
- 岩見沢市の予察田での成虫の初発は早かったものの、その後の発生量は平年並となっている。
- 7月は気温が高く降水量は平年並と予報されており、発生量はこのままで推移するものと考えられる。
- 防除対策
- 老齢幼虫になると防除効果が劣るので注意する。
- 薬剤は防除基準に準拠して使用するが、有機りん系及びカーバメート系薬剤に抵抗性の個体群が広範囲に認められているので、薬剤の選定には十分注意する。
ニカメイガ 発生期:やや早 発生量:並
- 発生経過と予報の根拠
- 昨年の大野町・岩見沢市での誘殺数は平年より少なく、比布町では発生が認められなかったが、全道的にはほぼ平年並の発生量であった。
- 6月は気温・降水量とも平年並と予報されているものの、4月以降の低温経過により発生期はやや遅く、発生量は越冬蛹が多いと見込まれることからやや多と予想される。
- 防除対策
- 成虫発生(誘殺)最盛期(岩見沢市の平年値:7月18日)から7〜10日間隔で1〜2回茎葉散布を実施する。
フタオビコヤガ 発生期:既発(やや早) 発生量:やや多
- 発生経過と予報の根拠
- 前年の発生量は道央地帯で多く、全道的にも多めの発生であった。
- 7月は気温が高く降水量は平年並と予報されており、前年の発生状況からみて発生量は平年より多めと予想される。
- 防除対策
- 幼虫や水面に浮いている笹舟型の蛹を見つけたら、次世代の発生に注意する。
- 若齢幼虫期に防除基準に基づき茎葉散布を実施する。
アカヒゲホソミドリカスミカメ 発生期:既発(早) 発生量:やや多〜多
- 発生経過と予報の根拠
- 各予察田とも高温経過から成虫の発生期は早く、発生量は平年より多めとなっている。また、各普及センターの調査でも発生量は多めと報告されている。
- 7月は気温が高いと予報されていることから、発生量はさらに増えるものと予想される。
- 防除対策
- 第1回成虫発生期にあたる6月下旬から7月上旬に、主な生息場所となるイネ科雑草を刈り取り、ほ場清掃に努める。
- 本田での防除は出穂期と7日後の2回を原則として実施する。その後の散布は、間隔を7〜10日とし、散布予定日の2〜3日前に水田内すくい取りを行い、2頭(20回振り当たり)を水準として要否を決める。
- 水田に隣接する麦類およびイネ科牧草での発生に注意し、その周辺の水田は特にていねいに薬剤散布を行う。
- 多発が予想される場合は本種の生息場所である畦畔・雑草地など水田周辺を7月中に薬剤散布する。
うどんこ病
発生期:既発(遅) 発生量:並
- 発生経過と予報の根拠
- 現在の予察ほでの発生量は、長沼町・訓子府町では平年より多い。芽室町の「ホクシン」では平年並(平年数2年)である。
- 普及センターからの報告によると、秋まき小麦では、一般ほでの発生量は平年より多めで、石狩・空知・上川・胆振・網走・十勝地方で止葉の1枚下の葉に発生が認められている。特に、石狩・空知・上川・十勝地方の一部で発病葉率が高い。
- 7月の気温は平年より高いと予報されているため、今後本病は抑制されると考えられる。
- 防除対策
- 春まき小麦では発生動向に注意し、必要に応じて防除を行う。穂・止葉・止葉の下1葉の発病を抑えれば収量に影響がない。
- DMI剤(従来のEBI剤)の感受性の低下が一部地域で確認されているので、他病害に対する散布を含めて、DMI剤を既に散布したほ場では、今後は水和硫黄剤を使用する。
- ストロビルリン系剤についても耐性菌が外国で報告されており、本州ではウリ類のうどんこ病で耐性菌が確認されている。このため散布は最小限にする。
赤さび病 発生期:既発(やや遅) 発生量:並
- 発生経過と予報の根拠
- 現在の予察ほでの発生量は、長沼町では平年より多く、訓子府町では平年並、芽室町では昨年より少ない。
- 普及センターからの報告によると、秋まき小麦では、空知・上川・胆振・十勝地方で止葉の1枚下の葉に発生が認められている。特に、空知・胆振・十勝地方の一部で発病葉率が高い。
- 7月の気温は平年より高いと予報されていることから、本病に好適であり、引き続き多めに推移すると考えられる。
- 防除対策
- うどんこ病に準ずる。
赤かび病 発生量:秋まき小麦=やや少、春まき小麦=並
- 発生経過と予報の根拠
- 本病の感染は、開花期が多湿条件下で経過すると多くなり、その後の降雨で発病が助長される。
- 秋まき小麦では、出穂後現在まで好天に経過しており、発生は平年より少なめと予想される。
- 春まき小麦では、出穂期以降の気温は平年より高く降水量は平年並と予報されているため、平年並と予想されるが、今後の気象経過に注意する。
- 防除対策
- 刈り遅れのないように注意し、刈取後収穫物は速やかに乾燥する。
- 春まき小麦では、出穂期から乳熟期までの気象経過に十分注意し、防除基準に準拠し、薬剤散布を行う。穂に薬剤がかからないと効果がないため、出穂期から散布を行う。
- チオファネートメチル剤に対するM.nivale
の耐性菌はほぼ全道で確認されているので、薬剤の選定には注意する。
炭そ病(小豆・菜豆) 発生期:既発(早) 発生量:やや少
- 発生経過と予報の根拠
- 芽室町の予察ほでは、菜豆の子葉に6月6日(平年:6月13日)に初発が認められた。
- 本病は6月下旬から7月の多湿で多発する。
- 前年の発生量は菜豆では平年並であった。
- 6月は好天が続き降水量は少なかったため、現在までの発生は少ない。
- 7月の降水量は平年並と予報されている。
- 防除対策
- 防除基準に準拠して薬剤散布を行う。菌核病の発生が少なく炭そ病の発生が多いほ場では、1回目の散布にジエトフェンカルブ・チオファネートメチル水和剤が有効である。
菌核病 発生期:並 発生量:やや少
- 発生経過と予報の根拠
- 本病は開花期以降の低温多湿で多発する。
- 7月は気温が高く降水量は平年並と予報されている。
- 防除対策
- 開花時期に注意し、薬剤散布にあたっては、大豆では開花の10〜15日目、小豆では7〜10日目、菜豆では5〜7日目に第1回散布を行い、その後必要に応じて、10日間隔で散布を継続する。
- 菌核病の発生が多いほ場では3回散布を行う。その際、1回目の防除薬剤にはジカルボキシイミド系剤(プロシミドン水和剤、イプロジオン水和剤)、またはフルアジナム剤が効果が高く、ジエトフェンカルブ・チオファネートメチル水和剤は効果が劣る。
灰色かび病 発生期:並 発生量:やや少
- 発生経過と予報の根拠
- 本病は菌核病と同様、開花期以降の低温多湿で多発する。
- 7月は気温が高く降水量は平年並と予報されている。
- 防除対策
- 菌核病に準ずる。
- 十勝地方の一部でフルアジナム剤の効果低下が認められているため、この地方では、本剤は菌核病のみを対象とする。
- 同系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を行う。
茎疫病(大豆・小豆) 発生量:並
- 発生経過と予報の根拠
- 7月の降水量は平年並と予報されている。
- 防除対策
- 転換畑など過湿土壌で発生しやすいので、ほ場の排水に努める。
べと病(大豆) 発生期:やや早 発生量:やや少
- 発生経過と予報の根拠
- 本病は多湿条件で多発する。
- 7月の気温は高いと予報されていることから、大豆の生育は良好で、発生期はやや早くなると考えられる。
- 7月の降水量は平年並と予報されていることから、本病には不適で発生量は少なめと予想される。
- 防除対策
- 防除基準に準拠して薬剤散布を行う。
輪紋病(小豆) 発生期:並 発生量:やや少
- 発生経過と予報の根拠
- 本病は多湿条件で多発する。
- 7月の降水量は平年並と予報されている。
- 防除対策
- 必要に応じて、防除基準に準拠して薬剤散布を行う。
わい化病(大豆) 発生期:やや遅 発生量:並
黄化病(菜豆) 発生量:並
- 発生経過と予報の根拠
- 6月のジャガイモヒゲナガアブラムシの発生量は平年並であった。
- 防除対策
- 防除基準に準拠して薬剤散布を行う(わい化病)。
ツメクサガ 発生期:既発(やや早) 発生量:並
- 発生経過と予報の根拠
- 前年の発生量は平年並で、7月の気温は高いと予報されていることから、被害の進展は早まるものの、被害量は平年並と考えられる。
- 防除対策
- 開花期から莢伸長期に葉を食害されると最も収量に影響するが、この時期の食害葉面積率20%で5%程度の減収となる。
- 大豆1個体当たりの寄生幼虫頭数で、開花前で1頭、開花期頃で2頭、莢伸長期以降で3頭以下であれば、防除の必要性はない。
アズキノメイガ 発生期:やや早 発生量:やや少〜並
- 発生経過と予報の根拠
- 本種の発蛾最盛期は7月中〜下旬である。
- 前年9月の発生量は少なかった。
- 7月は気温が高く降水量は平年並と予報されていることから、発生量はやや少から並と考えられる。
- 防除対策
- 産卵盛期から7〜10日間隔で薬剤散布を行う。
ハダニ類 発生期:やや早 発生量:やや多
- 発生経過と予報の根拠
- 7月は気温が高く降水量は平年並と予報されていることから、発生期はやや早く、発生量はやや多いと予想される。
- 防除対策
- 薬剤抵抗性の発達を避けるため、同一薬剤の連用・過用をさける。
ジャガイモヒゲナガアブラムシ(大豆) 発生期:並 発生量:やや少
- 発生経過と予報の根拠
- 現在の発生量は平年並である。
- 7月の気温は高いと予報されていることから、増殖が抑制され発生量は少なめと予想される。
- 防除対策
- 防除基準に準拠して薬剤散布を行う。
マメアブラムシ(小豆) 発生期:並 発生量:やや多
- 発生経過と予報の根拠
- 7月の気温は高いと予報されていることから、発生期はやや早く、発生量はやや多いと予想される。
- 防除対策
- 発生状況に注意し、発生初期に薬剤防除を行う。
疫病 発生期:やや早〜並
発生量:並
- 発生経過と予報の根拠
- 本病は多湿条件で多発する。
- これまでの気象経過と7月の気温は高いと予報されていることから、ばれいしょの生育は良好で、初発期はやや早まると考えられる。
- 6月は好天に経過し、7月は気温が高く降水量は平年並と予報されている。
- 発生予測システム(FLABS)によると、各予察ほでの発病好適指数の累積値は表のとおりである。なお、FLABSは累積値が21に達した日を基準日として初発日を予測するシステムである。予測初発日は、6月下旬から7月上旬に基準日に達した場合はその12〜15日後、7月中旬に達した場合は9〜12日後である。
地点 |
萌芽日 |
累積値* |
大野 |
5月19日 |
14 |
長沼 |
6月10日 |
3 |
芽室 |
6月1日 |
17 |
訓子府 |
6月2日 |
19 |
*6月26日現在
- 防除対策
- 防除基準に準拠し、FLABSを活用し初発の早期発見に努め、適期防除を行う。
- フェニルアマイド系薬剤には一部地域で耐性菌が認められているので使用に当たっては注意する。
アブラムシ類 発生期:既発(並) 発生量:並
- 発生経過と予報の根拠
- ジャガイモヒゲナガアブラムシの発生量は平年並で、主体となるモモアカアブラムシ、ワタアブラムシは近年発生が少ないことから、平年並の発生になると予想される。
- 防除対策
- 防除基準に準拠して薬剤散布を行う。
褐斑病 発生期:やや早 発生量:やや多
- 発生経過と予報の根拠
- 本病は高温多湿で多発する。
- 7月は気温が高く降水量は平年並と予報されていることから、本病の発生に好適となる可能性が高いと考えられる。
- 防除対策
- 防除基準に準拠して、発病株率が50%に達した時点で薬剤散布を開始する。
テンサイモグリハナバエ 発生期:既発(並) 発生量:やや少
- 発生経過と予報の根拠
- 昨年は全道的に発生量は少なかった。
- 第1世代の発生量は芽室町で多かったが、訓子府町では少なかった。
- 7月は気温が高いと予報されているものの、第2世代の発生量は昨年および第1世代の発生量からみて、平年よりやや少ないと予想される。
- 防除対策
- 幼虫の加害初期から最盛期(平年:6月中旬〜7月上旬)にかけて薬剤散布する。
- 通常の発生では、てんさいの生育が進み被害が軽いので単独防除の必要はなく、ヨトウガ等との同時防除が可能である。
ヨトウガ(第1回) 発生期:既発(並) 発生量:並〜やや多
- 発生経過と予報の根拠
- 長沼町および訓子府町の発生量はほぼ平年並であるが、芽室町では多発傾向となっている。
- 7月は気温が高く降水量は平年並と予報されていることから、被害は平年並からやや多と予想される。。
- 防除対策
- 茎葉散布は被害株率が50%に達した時点で行い、1回で十分である。
黒星病 発生期:既発(早) 発生量:やや多
- 発生経過と予報の根拠
- 長沼町の予察園での発生量は、平年より多く推移している。
- 普及センターからの報告によると、空知・胆振地方の一部、防除開始の遅れた園地で発生が見られるもののその程度は低く、ほとんどの園地では問題となっていない。
- 7月の降水量は平年並と予報されている。
- 防除対策
- 防除基準に準拠して薬剤散布を継続する。
斑点落葉病 発生期:既発(早) 発生量:やや多
- 発生経過と予報の根拠
- 本病は高温多湿で多発し、特に2〜3日の連続した降雨で急増する。
- 長沼町の予察園での初発は5月30日(平年:6月26日)で平年より早く、発生量は平年より多い。
- 7月の気温は高いと予報されていることから、本病に好適になると考えられる。
- 防除対策
- 防除基準に準拠して薬剤散布を継続する。
ハダニ類
発生期:既発(やや遅) 発生量:並
- 発生経過と予報の根拠
- 現在の発生量はリンゴハダニ、ナミハダニとも少なめである。
- 7月は気温が高く降水量は平年並と予報されていることから、発生量は平年並になると予想される。
- 防除対策
- 同一系統の薬剤を使用すると薬剤抵抗性の発達が急速に進むので、異なる系統の薬剤のローテーション散布を実施する。
ハマキムシ類
発生期:既発(遅) 発生量:並
- 発生経過と予報の根拠
- 長沼町におけるフェロモントラップによる成虫の誘殺始は平年並で、誘殺数も平年並に推移している。
- 7月は気温が高く降水量は平年並と予報されているものの、第1回目の発生からみて、発生量は平年並のまま推移すると予想される。
- 防除対策
- 防除基準に準拠して薬剤散布を行う。
キンモンホソガ
発生期:既発(遅) 発生量:並
- 発生経過と予報の根拠
- 第1回成虫の発生量は平年より少なめであった。
- 7月は気温が高く降水量は平年並と予報されていることから、第2回成虫の発生量は平年並になると予想される。
- 防除対策
- 防除基準に準拠して薬剤散布を行う。
モモシンクイガ
発生期:既発(やや早) 発生量:並
- 発生経過と予報の根拠
- 前年の発生量は長沼町の予察園、一般園とも少なめであった。
- 7月は気温が高く降水量は平年並と予報されていることから、産卵に好適となり、被害は平年並になると予想される。
- 防除対策
- 防除基準に準拠して薬剤散布を行う。
白斑葉枯病 発生期:既発(やや早)
発生量:並
- 発生経過と予報の根拠
- 長沼町の予察ほでの初発は6月12日(平年:6月18日)で平年よりやや早かった。発生量は平年並に推移している。訓子府町では未発生(平年:7月3日)である。
- 本病は多湿条件で多発する。
- 7月の降水量は平年並と予報されている。
- 防除対策
- 防除基準に準拠して薬剤散布を行う。
軟腐病 発生期:並 発生量:並
- 発生経過と予報の根拠
- 本病は多雨で多発する。
- 7月の降水量は平年並と予報されている。
- 防除基準に準拠して薬剤散布を行う。
ネギアザミウマ 発生期:既発(並) 発生量:やや多〜多
- 発生経過と予報の根拠
- 成虫の初発期は長沼町では平年並であったが、訓子府町では平年より1半旬遅れ6月3半旬となった。
- 長沼町の成虫発生量は平年並であるが、訓子府町では高温の影響で6月4半旬です
でに寄生株率が100%となっている。
- 7月は気温が高く降水量は平年並と予報されていることから、平年よりやや多から多発生になると考えられる。
- 防除対策
- 防除開始時期は、成虫の寄生株率が10%以上になったら10日以内、または簡易トラップで多飛来が認められてから5日以内とする。
- 追加防除は、寄生程度指数20、寄生株率50%を目安に行う。
軟腐病 発生量:並
- 発生経過と予報の根拠
- 本病は高温多雨で多発する。
- 7月の気温は高いが降水量は平年並と予報されている。
- 防除対策
- 防除基準に準拠して薬剤散布を行う。
コナガ 発生量:並
- 発生経過と予報の根拠
- 現在までのフェロモントラップによる誘殺数は、長沼町で平年より多くなっているほかは、平年並に推移している。
- 7月は気温が高く降水量は平年並と予報されているが、現在までの成虫飛来量からみて、幼虫による被害は平年並になると予想される。
- 防除対策
- 薬剤抵抗性が発達した害虫なので、ローテーション散布を実施する。なお、合成ピレスロイド系殺虫剤では抵抗性個体群が出現しているので単剤では使用しない。
- 防除にあたっては、他害虫の発生に注意し、効率的な防除体系を組み立てる。
モンシロチョウ 発生期:既発(やや遅) 発生量:並
- 発生経過と予報の根拠
- 長沼町の予察ほでは、成虫の発生量は平年並となっている。
- 7月の気温は高く降水量は平年並と予報されているものの、成虫の発生量からみて、幼虫による被害は平年並と予想される。
- 防除対策
- 成虫の飛来が目立ち産卵が多いほ場では、防除基準に準拠して薬剤散布を行う。
- 防除にあたっては他害虫の発生に注意し、同時防除できる薬剤を選択する。
ヨトウガ 発生量:並〜やや多
- 発生経過と予報の根拠
- 7月は気温が高く降水量は平年並と予報されていることから、被害は平年並からやや多と予想される。
- 防除対策
- 防除基準に準拠して薬剤散布を行う。
灰色かび病 発生量:並
- 発生経過と予報の根拠
- 本病は低温多湿条件で多発する。施設栽培では管理条件によって発生が大きく左右される。
- 7月は気温が高く降水量は平年並と予報されているため、発病に不適となると考えられる。また、夏期はハウス内が高温になりやすいため、発病が抑えられることが多い。
- 防除対策
- 換気、灌水などハウス管理を適切に行い、発病に適した環境を作らない。また、発病葉・果実のつみ取りを行い、伝染源をハウス内に放置しない。
- 防除基準に準拠し、発病初期からの防除を心がける。多発してからの薬剤散布効果は期待できない。
- 一部の地域では、ジカルボキシイミド系剤、チオファネートメチル・ジエトフェンカルブ水和剤の耐性菌が確認されているため、薬剤の選択には注意する。
ハダニ類 発生期:やや早 発生量:やや多
- 発生経過と予報の根拠
- 7月は気温が高く降水量は平年並と予報されていることから、発生期はやや早く、発生量は多めになると予想される。
- 防除対策
- 薬剤抵抗性の発達を避けるため、同一薬剤の連用・過用をさける。
アブラムシ類 発生量:並
- 発生経過と予報の根拠
- 7月は気温が高く降水量は平年並と予報されているものの、近年の発生状況からみて、発生量は平年並になると予想される。
- 防除対策
- 発生状況に注意し、発生初期に薬剤散布を行う。
付記北海道地方 3か月予報
(7月から9月までの天候見通し)
平成12年6月20日
札幌管区気象台発表
3か月(7〜9月)の気温の各階級の確率(%)
[気温]
3か月平均気温は、平年並か高い可能性が大きく、その確率は共に40%です。
可能性の大きな天候見通し
- 7月
- 天気は周期的に変化しますが、オホーツク海高気圧の影響は一時的で、平年に比べて晴れて暑い日が多いでしょう。
- 8月
- 太平洋高気圧に覆われて、平年と同様に晴れて暑い日が多いですが、上空の寒気の影響で天気のぐずつく時期がある見込みです。気温は平年並でしょう。
- 9月
- 天気は周期的に変化しますが、低気圧や前線の影響で天気のぐずつく時期がある見込みです。気温は平年並でしょう。
3か月間降水量は平年並でしょう。
要素 |
予報対象地域 |
7月 |
8月 |
9月 |
気温 |
北海道全域 |
高い |
平年並 |
平年並 |
降水量 |
北海道全域 |
平年並 |
平年並 |
平年並 |
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