平成11年度 病害虫発生予察情報 第13号

8月予報

平成11年7月 28日 北海道病害虫防除所

(連絡先:予察課 Tel.01238(9)2080(内)323

     Fax.01238(9)2082)


 季節予報(付記)によれば、8月は、天気は周期的に変わり、オホーツク海高気圧や前線の影響を受ける時期があるが、一時的で長続きせず、太平洋高気圧に覆われ暑い日もある見込みで、気温の変動が大きいと予報されています。

 これまでの発生状況と季節予報から、多めの発生が予想される病害虫は、水稲のアカヒゲホソミドリカスミカメ、豆類のナミハダニ、小豆のアブラムシ類、ばれいしょのアブラムシ類、りんごのハダニ類、あぶらな科野菜のコナガ、野菜類のハダニ類があげられます。

A.水稲
B.とうもろこし
C.豆類
D.ばれいしょ
E.てんさい
F.りんご
G.たまねぎ
H.あぶらな科野菜
I.野菜類全般
季節予報

A.水稲

いもち病(葉いもち)  発生期:既発(やや早〜並)  発生量:並
    (穂いもち)  発生期:やや早        発生量:並

  1. 発生経過と予報の根拠
    1. 予察田での初発は、大野町では平年よりやや遅く、岩見沢市および比布町では平年より早かった。発生量は、大野町では平年より少なく、岩見沢市および比布町では平年より多く推移している。

      予察田における葉いもちの初発月日と発生状況
      地点品種名初発月日発生状況
      さし苗本田発病度(7月4半旬)
      本年平年本年平年本年平年
      大野町
      ほのか224
      7月12日7月9日7月23日7月17日05.4
      しまひかり
      7月10日7月6日7月23日7月16日010.5
      岩見沢市
      キタヒカリ
      6月20日6月25日7月7日7月11日196.6
      きらら397
      6月18日7月9日7月5日8月2日242.3
      空育150号
      6月18日6月22日7月5日7月10日217.8
      比布町
      きらら397
      6月15日7月4日7月12日7月19日94.4
      6月15日7月2日7月12日7月15日1913.4
      ほしのゆめ
      6月15日6月22日7月12日7月16日228

    2. 普及センターからの情報によると、一般田では渡島、空知、留萌、網走地方で発生が確認されている。
    3. 現在の一般田での発生は少なく、また、出穂期の防除が行われている。
    4. 8月は天気は周期的に変わるが、気温・降水量は平年並と予報されている。
    5. 水稲の生育は平年より早く、出穂期も早いことから、穂いもちの発生期も早めとなろう。
    6. 葉いもちの発生量は平年並と予想されているので、穂いもちも平年並となろう。
  2. 防除対策
    1. 葉いもちは初発予測システムBLASTAMを参考にし、好適日・準好適日の出現約1週間後にほ場を見回り、早期発見に努める。特に常発地帯や前年度多発したほ場では注意する。
    2. 穂いもち防除の1回目は出穂期とし、適期を失しないように注意する。特に有人ヘリによる防除では適期に散布できない場合があるため状況に応じて地上散布で補う。

    紋枯病  発生期:やや早  発生量:並

  3. 発生経過と予報の根拠
    1. 本病の発生は越冬菌核量(前年の発生量)に影響を受け、さらに高温で多発する。
    2. 近年発生量が少ないことから越冬菌核量は少ないと考えられる。
    3. 水稲の生育は平年より早いため、発生期も早めと予想される。
    4. 8月の気温・降水量は平年並と予報されていることから、発生量は平年並の少発生となろう。

    ヒメトビウンカ  発生期:既発(早)  発生量:やや少

  4. 発生経過と予報の根拠
    1. 前年秋季の発生量は全道的に少なかった。
    2. 第2回成虫のすくい取りでの初発は、岩見沢市で7月17日(平年:7月14日)とやや遅かったが、大野町で7月3半旬(平年:7月6半旬)、比布町で7月2半旬(平年:7月4半旬)と平年より早かった。
    3. 6月の成虫発生量は、岩見沢市、大野町、比布町とも平年より少なく、7月に入ってからもこの傾向が続いている。
    4. 8月の気温・降水量は平年並と予報されていることから、発生量は平年より少ないままで推移すると考えられる。
  5. 防除対策
    1. 夏期に発生密度が株当り50頭以上になると吸汁害が発生する恐れが高いため、多発が予想される場合は防除を行う。

    セジロウンカ  発生期:既発(早)  発生量:やや少

  6. 発生経過と予報の根拠
    1. 大野町ではすくい取りで6月30日(平年:7月17日)、岩見沢市で7月17日(平年:7月25日)と早かったが、水田での発生量は少ない。
    2. 8月の気温・降水量は平年並と予報されていることから、発生量は少ないまま推移すると考えられる。
  7. 防除対策
    1. 水田中央など風通しの悪い場所での発生に注意し、多発生を見たら防除する。

    フタオビコヤガ  発生期:既発(早)  発生量:並

  8. 発生経過と予報の根拠
    1. 第2回成虫の初誘殺は、大野町で6月26日(平年:7月1日)と早かったが、岩見沢市では7月1日(平年:7月3日)、比布町で7月3日(平年:6月28日)であった。
    2. 誘殺数は、これまで岩見沢市では多めとなっているが、大野町、比布町では少ない。
      予察灯によるフタオビコヤガの誘殺状況
      月半旬大野町岩見沢市比布町
      本年平年本年平年本年平年
      7.I
      555510130.8
      7.II
      015.312130.1745
      7.III
      013.218657.4867.6
      7.IV
      07.92130.6 17

    3. 8月の気温・降水量は平年並と予報されていることから、発生量は平年並と考えられる。
  9. 防除対策
    1. 幼虫や水面に浮いている笹舟型の蛹を見つけたら、次世代の発生に注意する。
    2. 若齢幼虫期に防除基準に基づき茎葉散布を実施する。

    アカヒゲホソミドリカスミカメ  発生期:既発(早)  発生量:並〜やや多

  10. 発生経過と予報の根拠
    1. 6月からの高温経過により、岩見沢市での第2回成虫の初誘殺は7月1日(平年:7月14日)と平年よりかなり早かった。
    2. 岩見沢市、大野町、比布町とも畦畔でのすくい取り数はほぼ平年並となっているが、岩見沢市、大野町では誘殺数が平年より多くなっている。
      予察灯によるアカヒゲホソミドリカスミカメの誘殺状況
      月半旬大野町岩見沢市比布町
      本年平年本年平年本年平年
      7.I
      11.81213.7010
      7.II
      00.851013.1014
      7.III
      51.9100830.3418.1
      7.IV
      553.316162.5 32.5

    3. 8月の気温は平年並と予報されていることから、発生量は平年並からやや多と考えられる。
  11. 防除対策
    1. 本田での防除は出穂期と7日後の2回を原則として実施し、3回目散布の要否は、出穂始から出穂期に水田内すくい取り調査を実施し、出穂始に6頭または出穂期に16頭(いずれも20回振り当たり)を判断基準として決定する。
    2. 水田に隣接する麦類およびイネ科牧草での発生に注意し、その周辺の水田は特にていねいに防除を行う。

    B.とうもろこし

    アワノメイガ  発生期:既発(やや遅)  発生量:並

  12. 発生経過と予報の根拠
    1. フェロモントラップによる誘殺は大野町で6月27日(平年:6月22日)とやや遅く、長沼町、芽室町では誘殺されていない。
    2. 近年発生が少なく、8月の気温は平年並と予報されていることから、発生量は平年並の少発生と考えられる。
  13. 防除対策
    1. 普通栽培(標準)で雄穂抽出の前後7〜10日間隔で防除を実施する。

    C.豆類

    炭そ病(小豆・菜豆)  発生期:既発(遅)  発生量:やや少〜並

  14. 発生経過と予報の根拠
    1. 芽室町の予察ほにおける菜豆「常富長鶉」の炭そ病の初発期は、茎葉7月4日(平年:6月20日)と平年より遅く、現在までの発生量は平年より少なく推移している。
    2. 本病は多湿条件で発病が助長される。
    3. 8月の降水量は平年並と予報されている。
  15. 防除対策
    1. 防除基準に準拠し、他病害との同時防除を考慮して薬剤散布を行う。

    灰色かび病・菌核病 発生期:並  発生量:並

  16. 発生経過と予報の根拠
    1. 長沼町の予察ほでは、菜豆の花弁が開花後葉に落下した部分で発病が見られるが、莢には未発生である。
    2. 両病害とも開花期以降の低温多湿で多発する。
    3. 7月上・中旬は降水量が多かったが、開花期以降にあたる7月下旬の天候はおおむね良好である。
    4. 8月の気温・降水量は平年並と予報されている。
  17. 防除対策
    1. 防除基準に準拠し、同時防除を行う。
    2. 開花時期に注意し、薬剤散布にあたっては、菜豆では開花後5〜7日、大豆・小豆では開花後7〜10日に第1回散布を行い、その後10日間隔で散布を継続する。
    3. 灰色かび病では、ジカルボキシイミド系薬剤(プロシミドン水和剤、イプロジオン水和剤)に対する耐性菌が広く認められている。また、十勝地方の一部でフルアジナム剤の効果低下が認められているため、薬剤の選択に十分注意する。

    べと病(大豆)  発生期:既発(早)  発生量:並

  18. 発生経過と予報の根拠
    1. 長沼町の予察ほにおける初発期(汚染種子)は、「キタホマレ」では7月15日(平年:7月25日)、「トヨムスメ」では7月19日(平年:7月29日)と平年より早かった。発生量は多めに推移している。
    2. 一般ほでの発生量は、ほぼ平年並に推移している。
    3. 本病は多湿条件で多発する。
    4. 8月の降水量は平年並と予報されている。

    輪紋病(小豆)  発生期:並  発生量:並

  19. 発生経過と予報の根拠
    1. 本病は多湿条件で多発する。
    2. 前年の発生量は、特に十勝地方で多かったことから、天候によっては発生が多くなる恐れがあるので注意が必要である。
    3. 8月の降水量は平年並と予報されている。
  20. 防除対策
    1. 発生が見られた場合には、防除基準に準拠して薬剤散布を行う。

    茎疫病(大豆・小豆)  発生期:既発  発生量:並

  21. 発生経過と予報の根拠
    1. 一部の転換畑で発生がみられている。
    2. 本病は過湿土壌で発生しやすく、大雨で畑が湛水すると多発する。
    3. 8月の降水量は平年並と予報されている。
  22. 防除対策
    1. 排水対策を講ずる。

    食葉性鱗翅目幼虫(大豆・小豆)  発生期:既発(やや遅)  発生量:並

  23. 発生経過と予報の根拠
    1. 長沼町では、被害の進展は平年より早くなっているものの、被害程度はほぼ平年並である。
    2. 8月の気温・降水量は平年並と予報されていることから、発生量は平年並と考えられる。
  24. 防除対策
    1. 開花期から莢伸長期に葉を食害されると最も収量に影響するが、この時期の食害葉面積率20%で5%程度の減収となる。
    2. 大豆1個体当たりの寄生幼虫頭数で、開花前で1頭、開花期頃で2頭、莢伸長期以降で3頭以下であれば、防除の必要はない。

    アズキノメイガ(小豆・高級菜豆)  発生期:早発生量:やや少

  25. 発生経過と予報の根拠
    1. 芽室町の予察灯では6月21日(平年:7月4日)に初誘殺されている。
    2. 昨年は少発生であり、8月の気温・降水量は平年並と予報されていることから、発生量は少なめと考えられる。

    ナミハダニ  発生期:既発  発生量:並〜やや多

  26. 発生経過と予報の根拠
    1. 7月中旬以降高温乾燥傾向が続いており、8月の気温は平年並と予想されていることから発生量は平年並からやや多と考えられる。
  27. 防除対策
    1. 薬剤抵抗性の発達を避けるため、同一薬剤の連用、過用をさける。

    アブラムシ類(大豆・小豆)  発生期:既発(やや早)  発生量:並〜やや多

  28. 発生経過と予報の根拠
    1. 大豆のアブラムシ類は現在ほぼ平年並の発生量であるが、小豆のマメアブラムシは7月中旬以降の高温経過から長沼町の予察ほでは発生が多くなっている。
    2. 8月の気温・降水量は平年並と予報されていることから、大豆では平年並、小豆では多めの発生が見込まれる。

    マメシンクイガ(大豆)  発生期:やや早  発生量:並

  29. 発生経過と予報の根拠
    1. 7月中旬以降高温傾向が続いており、8月の気温は平年並と予想されていることから成虫の発生期はやや早まると考えられる。
    2. 近年発生量は全道的に少ないことから、越冬密度は低く、平年並の少発生と考えられる。
  30. 防除対策
    1. 防除基準に準拠して茎葉散布を実施する。

    D.ばれいしょ

    疫病  発生期:既発(並〜やや遅) 発生量:並

  31. 発生経過と予報の根拠
    1. 大野町、訓子府町、芽室町の予察ほで初発が認められている。発生量は、大野町では平年よりやや多く、訓子府町、芽室町では平年より少なく推移している。
      予察ほにおける疫病の初発月日と発生状況
      地点品種名初発月日発病度(7月4半旬)
      本年平年本年平年
      大野町
      男爵薯
      7月11日7月9日54.544.3
      長沼町
      男爵薯
      -7月13日09.4
      農林一号
      -7月14日02.9
      訓子府
      男爵薯
      7月19日7月18日012.5
      紅丸
      7月19日7月24日08.8
      芽室町
      男爵薯
      7月17日7月14日0.720.5
      紅丸
      7月18日7月13日2.718.7

    2. 普及センターからの情報によると、檜山、胆振、十勝地方の一部で発生しているが、現在の発生量はやや少から平年並に推移している。
    3. 本病は多湿条件で多発する。
    4. 8月の気温・降水量は平年並と予報されている。
  32. 防除対策
    1. 防除基準に準拠し、薬剤散布を継続する。
    2. フェニルアマイド系薬剤には一部地域で耐性菌が認められているので使用に当たっては注意する。
    3. 塊茎腐敗を防止するため、収穫は晴天の日に行い、十分に塊茎を乾燥させる。

    軟腐病  発生期:既発  発生量:並

    1. 発生経過と予報の根拠
      1. 本病は高温多湿で発病が助長される。
      2. 8月の気温・降水量は平年並と予報されている。
    2. 防除対策
      1. 防除基準に準拠し、薬剤散布を継続する。

    アブラムシ類 発生期:既発(並)  発生量:並〜やや多

  33. 発生経過と予報の根拠
    1. 6月中に多かったジャガイモヒゲナガアブラムシの発生量はほぼ平年並となり、モモアカアブラムシの発生量は平年より少なめとなっている。ワタアブラムシの発生量は7月中旬まではやや少から平年並であったが、これまでの高温経過から増加に転じている。
    2. 8月の気温は平年並と予報されていることから、引き続きワタアブラムシの増加が見込まれる。
  34. 防除対策
    1. アブラムシの種類によって薬剤の効果が異なるので注意する。
    2. ワタアブラムシは下位葉に好んで寄生するので、散布量を多くするとともに、倒伏や過繁茂にならないようにする。
    3. ウイルス病が多発傾向にある場合は、採種ほのみならず一般ほでも防除を行い、ウイルス病の伝搬防止に努める。

    E.てんさい

    褐斑病  発生期:既発(並〜やや遅)  発生量:やや少〜並

  35. 発生経過と予報の根拠
    1. 予察ほでの初発は、芽室町では7月21日(平年:7月21日)と平年並であったが、長沼町(平年:7月20日)、訓子府町(平年:7月25日)では未発生である。
    2. 普及センターからの報告によると、胆振地方で発生が確認されている。
    3. 本病は高温多湿で多発する。
    4. 8月の気温・降水量は平年並と予報されている。
  36. 防除対策
    1. 防除は発病株率が50%に達した時点から開始する。
    2. 薬剤の残効を考慮して散布間隔を調節し、効率的な防除を行う。
    3. 連作及び茎葉の鋤込みほ場では発生しやすいので注意する。

    ヨトウガ(第2回)  発生期:やや早  発生量:やや少

    1. 発生経過と予報の根拠
      1. 第1回成虫の発生が早かったことから第2回成虫の発生も早まると考えられる。
      2. 第1回成虫の発生量が平年より少なく、8月の気温・降水量が平年並と予報されていることから、第2回成虫の発生量も平年より少ないと予想される。
    2. 防除対策
      1. 防除は被害株率が50%に達した時点から開始する。
      2. 初回防除の2週間後以降も被害が進展するときは追加防除を検討する。

    F.りんご

    黒星病  発生期:既発(並)  発生量:並

  37. 発生経過と予報の根拠
    1. 長沼町の予察園での発生は「ふじ」では平年より少なめに、「スターキングデリシャス」では平年より多く推移している。
    2. 普及センターからの報告によると、一般園では、渡島、空知、後志、胆振地方で発生が見られるものの、平年並の少発生に推移している。
    3. 本病は冷涼多雨で多発する。
    4. 8月の気温・降水量は平年並と予報されている。
  38. 防除対策
    1. 防除基準に準拠し、斑点落葉病との同時防除に努める。特に葉に発病している場合は、果実に発病しないように、十分量の薬液を丁寧に散布する。
    2. 不要な徒長枝は早めに剪定し、処分する。

    斑点落葉病  発生期:既発(早)  発生量:並

  39. 発生経過と予報の根拠
    1. 長沼町の予察園での初発期は6月10日(平年:6月30日)と平年よりかなり早かった。発生量は平年より多めに推移している。
    2. 普及センターからの報告によると、後志地方の一般園での発生量は、ほぼ平年並に推移している。
    3. 本病は高温多湿で多発し、特に2〜3日の連続した降雨で急増する。
    4. 8月の気温・降水量は平年並と予報されている。
  40. 防除対策
    1. 黒星病の項に準ずる。

    ハダニ類    発生期:既発(遅)  発生量:並〜やや多

  41. 発生経過と予報の根拠
    1. 予察園および普及センターからの報告では、現在までのりんごでの発生量はリンゴハダニ、ナミハダニとも平年並である。
    2. 7月中旬以降の高温経過により雑草地でのナミハダニの増加が見込まれ、8月の気温・降水量は平年並と予報されていることから、発生量は平年並からやや多と考えられる。
  42. 防除対策
    1. 発生状況に注意し、薬剤散布を継続する。
    2. 同一系統の薬剤を使用すると薬剤抵抗性の発達が急速に進むので、異なる系統の薬剤をローテーション散布する。

    ハマキムシ類   発生期:既発(やや早)  発生量: やや少〜並

  43. 発生経過と予報の根拠
    1. 長沼町、余市町および仁木町におけるフェロモントラップによる成虫の誘殺数はリンゴモンハマキが平年並、コカクモンハマキが少なめである。
    2. 8月の気温・降水量は平年並と予報されていることから、発生量はやや少から平年並のまま推移すると考えられる。
  44. 防除対策
    1. 防除基準に準拠して薬剤散布を行う。

    キンモンホソガ   発生期:既発(並)  発生量:並

  45. 発生経過と予報の根拠
    1. 第2回成虫の発生量は多かったが、幼虫による被害は平年並となっている。
    2. 8月の気温・降水量は平年並と予報されていることから、第3回成虫の発生量は平年並と考えられる。
  46. 防除対策
    1. 防除基準に準拠して薬剤散布を行う。

    モモシンクイガ  発生期:既発(やや遅) 発生量:やや少〜並

  47. 発生経過と予報の根拠
    1. 長沼町のフェロモントラップによる誘殺始は6月28日(平年:6月25日)と平年よりやや遅かった。
    2. フェロモントラップによる成虫の誘殺数は長沼町、仁木町・余市町とも平年より少なくなっている。
    3. 8月の気温・降水量は平年並と予報されていることから、発生量はやや少から平年並と考えられる。
  48. 防除対策
    1. 防除基準に準拠して薬剤散布を行う。

    G.たまねぎ

    ネギアザミウマ  発生期:既発(やや早) 発生量:やや少〜並

  49. 発生経過と予報の根拠
    1. 長沼町では少発生が続いているが、訓子府町では7月中旬以降急激に増加に転じほぼ平年並の発生となっている。
    2. 8月の気温・降水量は平年並と予報され、タマネギの生育も進んでいることから、これ以上の増加は見込まれず、発生量はやや少から平年並と考えられる。

    H.あぶらな科野菜

    軟腐病  発生量:並

  50. 発生経過と予報の根拠
    1. 長沼町の予察ほでは、現在少発生である。
    2. 本病は高温多雨で多発する。
    3. 8月の気温・降水量は平年並と予報されている。
  51. 防除対策
    1. 防除基準に準拠して薬剤散布を行う。発生してからの防除は難しいため、多雨などの多発条件が予想されるときは、予防散布を心がける。

    モンシロチョウ  発生期:既発(遅)  発生量:やや少

  52. 発生経過と予報の根拠
    1. 現在第3世代成虫が現れているが、発生量は平年より少ない。
    2. 8月の気温・降水量は平年並と予報されている。
  53. 防除対策
    1. 成虫の飛来が目立ち産卵が多いほ場では、防除基準に準拠して薬剤散布を行う。
    2. 防除にあたっては、他害虫の発生に注意し、同時防除できる薬剤を選択する。

    コナガ   発生期:既発(並) 発生量:やや多〜多

  54. 発生経過と予報の根拠
    1. 7月に入っても、長沼町・大野町ではフェロモントラップによる捕殺数は平年より多めに推移し、幼虫・蛹数とも多発生となっている。
      フェロモントラップによるコナガ雄成虫誘殺数
      月半旬大野町長沼町訓子府町芽室町
      本年平年本年平年本年平年本年平年
      7.I
      21195.17971201993225.3
      7.II
      444135.71327317944.54919
      7.III
      109146.7168103.719485.81620.8
      7.IV
       135.496166.8298118.51221

      各定点におけるコナガの発生状況
      月半旬大野町長沼町
      幼虫数蛹数幼虫数蛹数
      月半旬本年平年本年平年本年平年本年平年
      6.II
      14120.3131.322.900
      6.IV
      47931.926810.11612.281.7
      6.VI
      87853.767932.8719.184
      7.II
      1160157.188640.48630.348.1
      7.IV
      28224.2959.91688.66522.6

    2. 8月の気温・降水量は平年並と予報されており、幼虫による被害は引き続き多くなると予想される。
  55. 防除対策
    1. 薬剤抵抗性が発達した害虫なので、ローテーション散布を実施する。なお、合成ピレスロイド系薬剤では抵抗性個体群が出現しているので単剤では使用しない。
    2. 防除にあたっては、他害虫の発生に注意し、効率的な防除体系を組み立てる。

    I.野菜類全般

    灰色かび病  発生量:並

    1. 発生経過と予報の根拠
      1. 本病は低温多湿条件で多発する。施設栽培では管理条件によって発生が大きく左右される。
      2. 8月は気温・降水量とも平年並と予報されている。
    2. 防除対策
      1. 換気、灌水などハウス管理を適切に行い、発病に適した環境を作らない。特に夜温が下がる8月下旬頃からはハウスの開閉に注意し、湿度を上げないように注意する。
      2. 耕種的防除を基本とし、薬剤散布は補助手段と考える。治療効果のある薬剤でも、多発してからの効果は期待できない。
      3. ジカルボキシイミド系剤の耐性菌が広く認められている。また、チオファネートメチル・ジエトフェンカルブ水和剤の耐性菌も一部地域で確認されているため、薬剤の選択には注意する。

    ハダニ類  発生期:既発  発生量:並〜やや多

  56. 発生経過と予報の根拠
    1. 7月中旬以降の高温経過により増殖が進んでいると考えられ、8月の気温・降水量が平年並と予報されていることから、発生量は平年並からやや多と考えられる。
  57. 防除対策
    1. 薬剤抵抗性の発達を避けるため、同一薬剤の連用・過用をさける。

    アブラムシ類  発生期:既発  発生量:並

  58. 発生経過と予報の根拠
    1. 8月の気温・降水量は平年並と予報されていることから、発生量は平年並と考えられる。
  59. 防除対策
    1. 発生状況に注意し、発生初期に防除を行う。

付記 
北海道地方 3か月予報

(8月から10月までの天候見通し)

平成11年7月19日
札幌管区気象台発表

3か月(8〜10月)の気温の各階級の確率(%)



3か月平均気温は、平年並か高い可能性が大きく、その確率は共に40%です。

可能性の大きな天候見通し

8月
天気は周期的に変わるでしょう。オホーツク海高気圧や前線の影響を受ける時期がありますが、一時的で長続きはしない見込みです。太平洋高気圧に覆われ暑い日もある見込みで、気温の変動が大きいでしょう。
9月
天気は数日周期で変わりますが、気温の高い日が多い見込みです。
10月
天気は周期的に変わりますが、気圧の谷の通過後は一時寒気が入って気温の変動が大きい見込みです。

3か月間降水量は平年並でしょう。

要素予報対象地域8月9月10月
気温北海道地方平年並高い平年並
降水量北海道地方平年並平年並平年並



病害虫発生予察情報一覧へ戻る
ホームページへ戻る