平成11年度 病害虫発生予察情報 第12号

注意報第5号

平成11年7月 16日 北海道病害虫防除所

(連絡先:予察課 Tel.01238(9)2080(内)323

     Fax.01238(9)2082)


豆類の菌核病・灰色かび病の発生に注意

 豆類の菌核病および灰色かび病は、開花期以降の湿潤条件下で多発する病害で、葉、茎および莢に発病し、多発すると収量、品質に影響を及ぼします。
 本年は7月中旬が多雨に経過したことから両病害の発生に好適な条件となっています。また、本年は豆類の生育が順調で、茎葉が繁茂していることから風通しの悪い状態となっているため、畑の中の湿度が高くなりがちです。
 これらのことから、今後両病害が多発する恐れがあるので、適期防除により莢への感染を防ぎましょう。

  1. 発生地域  全道

  2. 発生量   やや多

  3. 注意報発令の根拠
    1. 両病害は、開花期以降の湿潤条件で多発する病害で、本年は7月中旬が多雨条件であった。
    2. 本年は豆類の生育が順調で、茎葉が繁茂し株間や畦間の湿度が高くなっている。
    3. 長沼町の中央農試圃場では、菜豆の灰色かび病の初発が確認された。
    4. 菜豆では第1回散布適期が既に過ぎた地域もあり、多雨のため散布適期を失した圃場もあった。

  4. 防除対策
    1. 防除基準に準拠して両病害の同時防除を実施する。
    2. 薬剤散布にあたっては、菜豆では開花5〜7日後、大豆では開花10〜15日後、小豆では開花7〜10日後に第1回散布を行い、その後10日間隔で散布する。
    3. 灰色かび病については、ジカルボキシイミド系薬剤(プロシミドン水和剤、イプロジオン水和剤)およびベンズイミダゾール系薬剤(チオファネートメチル水和剤、ベノミル水和剤)に対する耐性菌が道内のほぼ全域で認められている。また、十勝地方の一部でフルアジナム剤の効果低下が認められているため、薬剤の選択に注意する。
    4. 同一系統薬剤の連続散布は避け、ローテーション散布に心がける。


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