平成11年度 病害虫発生予察情報 第9号7月予報平成11年6月 28日 北海道病害虫防除所(連絡先:予察課 Tel.01238(9)2080(内)323 Fax.01238(9)2082)
季節予報(付記)によれば、7月の天気は周期的に変わるが、前半を中心にオホーツク海高気圧や前線の影響を受ける時期がある、後半は太平洋高気圧に覆われて暑い日もあり、気温の変動が大きい見込みと予報されています。
このようなことから、多めの発生が予想される病害虫は、水稲のイネドロオイムシ、小麦の赤さび病、てんさいのテンサイモグリハナバエ、あぶらな科野菜のモンシロチョウ、コナガがあげられます。
A.水稲
B.小麦
C.豆類
D.馬鈴しょ
E.てんさい
F.りんご
G.たまねぎ
H.あぶらな科野菜
I.野菜類全般
季節予報
A.水稲
いもち病(葉いもち) 発生期:並 発生量:並
- 発生経過と予報の根拠
- 主要な作付け品種を侵すレースは全道に広く分布しており、「きらら397」の葉いもち抵抗性はやや弱、「ほしのゆめ」は弱である。
- 岩見沢市および比布町の予察田ではさし苗で発病が見られた。
予察田におけるさし苗初発月日地点 | 品種名 | 本年 | 平年 |
---|
岩見沢市 | キタヒカリ | 6.20 | 6.25 |
きらら397 | 6.18 | 7.9 |
あきほ | 6.18 | 6.22 |
比布町 | きらら397 | 6.15 | 7.4 |
彩 | 6.15 | 7.2 | |
ほしのゆめ | 6.15 | 6.22 |
- 7月の気温・降水量は平年並みと予報されている。
- 防除対策
- 葉いもちは初発予測システムBLASTAMを参考にし、早期発見に努める。本病は、多肥で発生しやすいため、葉色の濃い部分を特に注意して観察する。また、前年度多発したほ場でも注意する。
- 窒素質肥料の過剰な分追肥はさける。
- 薬剤の性質(予防・治療効果の有無、残効期間、速効・遅効性等)をよく検討し、適切な剤を選択する。
- 有人ヘリ導入地域では、適期に散布できないことがあるので、状況に応じて地上散布で補完する。
紋枯病 発生期:並 発生量:並
- 発生経過と予報の根拠
- 本病の発生は越冬菌核量(前年の発生量)に大きく影響を受け、さらに高温で多発する。
- 近年発生量が少ないことから越冬菌核量は少ないと考えられる。
- 7月の気温は平年並と予報されていることから、発生量は平年並の少発生となろう。
- 防除対策
- 毎年発生が見られるほ場では、防除基準に準拠して適期(穂ばらみ期)に薬剤散布を行う。
ヒメトビウンカ 発生期:既発(早) 発生量:やや少
- 発生経過と予報の根拠
- 前年秋季の発生量は全道的に少なかった。
- 岩見沢市、比布町および大野町の予察田では5月の成虫発生量は少なく、6月に入ってからも平年より少なめに経過している。また、各普及センターからの報告でも発 生は非常に少ない。
- 7月の気温・降水量は平年並と予報されていることから、発生量は平年より少ないまま推移すると予想される。
イネハモグリバエ 発生量:少
- 発生経過と予報の根拠
- 近年発生量は少なく、昨年は空知管内でわずかに被害が認められた程度であった。
- 岩見沢市および大野町の予察田では第1回成虫の発生が認められていないことから、第2回成虫の発生も少ないと考えられる。
イネドロオイムシ 発生期:既発(遅) 発生量:並〜やや多
- 発生経過と予報の根拠
- 前年の発生は空知・日高・留萌・網走支庁管内でやや多発生となったものの、全道的には平年並の発生であった。
- 比布町の予察田での成虫の発生量および卵塊数は多めとなっている。
- 7月の気温・降水量は平年並と予報されており、発生量はこのままで推移するものと考えられる。
- 防除対策
- 老齢幼虫になると防除効果が劣るので注意する。
- 薬剤は防除基準に準拠して使用するが、有機りん系及びカーバメート系薬剤に抵抗性の個体群が広範囲に認められているので、薬剤の選定には十分注意する。
ニカメイガ 発生期:並 発生量:並
- 発生経過と予報の根拠
- 昨年の大野町、岩見沢市での誘殺数は平年より少なく、比布町では発生が認められなかった。しかし、全道的にはほぼ平年並の発生であった。
- 7月の気温・降水量は平年並と予報されていることから発生期は平年並で、前年の発生状況から発生量は平年並と考えられる。
- 防除対策
- 成虫発生(誘殺)最盛期(岩見沢市の平年値:7月18日)から7〜10日間隔で1〜2回茎葉散布を実施する。
フタオビコヤガ 発生期:既発(並) 発生量:やや少
- 発生経過と予報の根拠
- 前年の発生量は大野町、岩見沢市、比布町とも少なく、全道的にも少発生であった。
- 7月の気温・降水量は平年並と予報されていることから発生期は平年並で、前年の発生状況から発生量は平年よりやや少ないと予想される。
- 防除対策
- 幼虫や水面に浮いている笹舟型の蛹を見つけたら、次世代の発生に注意する。
- 若齢幼虫期に防除基準に基づき茎葉散布を実施する。
アカヒゲホソミドリカスミカメ 発生期:既発(並) 発生量:並
- 発生経過と予報の根拠
- 長沼町の予察灯による誘殺では、成虫の発生期・誘殺量ともほぼ平年並となっている。
- 7月の気温は平年並と予報されていることから、発生量はほぼ平年並で推移すると考えられる。
- 防除対策
- 第1回成虫発生期にあたる6月下旬から7月上旬に主な生息場所となるイネ科雑草を刈り取り、ほ場清掃に努める。
- 本田での防除は出穂期と7日後の2回を原則として実施し、3回目散布の要否は、出穂始から出穂期に水田内すくい取り調査を実施し、出穂始めに6頭または出穂期に16頭(いずれも20回振り当たり)を判断基準として決定する。
- 水田に隣接する麦類およびイネ科牧草での発生に注意し、その周辺の水田は特にていねいに防除を行う。
- 多発が予想される場合は本種の生息場所である畦畔、雑草地など水田周辺を7月中に防除する。
B.小麦
うどんこ病 発生期:既発(遅) 発生量:並
- 発生経過と予報の根拠
- 6月4半旬の予察ほにおける発生量は以下の通りである。長沼町では平年より多発生であるが、訓子府町では少発生である。各地点とも止葉にごくわずかの病斑が見られる程度である。
うどんこ病 発病度および病斑面積率地点 | 品種名 | 発病度 | 病斑面積率 | 平年数 |
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本年 | 平年 | 本年 | 平年 |
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長沼町 | 赤銹不知1号 | 10.1 | 3.5 | 0.77 | - | 10 |
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チホクコムギ | 34.2 | 22.4 | 2.81 | - | 10 |
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ホクシン | 5.1 | 2.3 | 0.10 | - | 4 |
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訓子府町 | 赤銹不知1号 | - | - | 0.44 | 2.93 | 10 |
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チホクコムギ | - | - | 3.98 | 7.11 | 10 |
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芽室町 | ホクシン | - | - | 0.23 | 0.65 | 1 |
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- 普及センターからの報告によると、一般ほでの発生量はやや少〜平年並である。
- 主要品種の「ホクシン」は「チホクコムギ」に比べて本病に強い。
- 本病は低温乾燥で多発する。
- 7月の気温・降水量は平年並と予報されていることから、発生量はほぼ平年並のまま推移しよう。
- 防除対策
- 春まき小麦では発生動向に注意し、必要に応じて防除を行う。穂・止葉・止葉の下1葉の発病を抑えれば収量に影響がない。
- 耐性菌の出現を防止するため、DMI剤(従来のEBI剤)を既に散布したほ場では、今後は水和硫黄剤を使用することとする。
赤さび病 発生期:既発(早) 発生量:やや多
- 発生経過と予報の根拠
- 6月4半旬の予察ほにおける発生量は以下のとおりである。長沼町、訓子府町とも 平年より多めの発生である。特に、長沼町、芽室町では、6月に発病が急激に進展し、 止葉にも病斑がかなり見られる。
赤さび病 発病度および病斑面積率地点 | 品種名 | 発病度 | 病斑面積率 | 平年数 |
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本年 | 平年 | 本年 | 平年 |
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長沼町 | 赤銹不知1号 | 24.5 | 27.9 | 2.77 | - | 10 |
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チホクコムギ | 39.2 | 3.8 | 6.87 | - | 10 |
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ホクシン | 70.7 | 15.2 | 19.60 | - | 4 |
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訓子府町 | 赤銹不知1号 | - | - | 0.08 | 1.30 | 10 |
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チホクコムギ | - | - | 0.06 | 0.01 | 10 |
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芽室町 | ホクシン | - | - | 3.93 | - | 1 |
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- 普及センターからの報告によると、一部地域で平年より多めの発生となっている。
- 主要品種の「ホクシン」は「チホクコムギ」に比べて本病に弱い。
- 本病は高温乾燥で多発する。
- 7月の気温・降水量は平年並と予報されていることから、発生量は多めのまま推移しよう。
- 防除対策
- 止葉に発病しているほ場では直ちに防除を行う。
- 赤かび病との同時防除を行う場合には、薬剤の選択に注意する。
赤かび病 発生量:秋まき小麦=やや少〜並 春まき小麦=並
- 発生経過と予報の根拠
- 本病は開花期以降の多湿で多発する。
- 秋まき小麦では、出穂後現在までほぼ好天に経過しており、発生は平年より少なめと予想される。
- 春まき小麦では、出穂期以降の気温・降水量は平年並であるが7月の前半を中心にオホーツク海高気圧や前線の影響を受ける時期があると予報されているため、今後の気象経過に注意する。
- 防除対策
- 春まき小麦では、防除基準に準拠し、開花期と乳熟期に薬剤散布を行う。
- チオファネートメチル剤の耐性菌はほぼ全道で確認されているので、薬剤の選定には注意する。
- 刈り遅れのないように注意し、刈取後収穫物は速やかに乾燥する。
アブラムシ類 発生期:既発(並) 発生量:並
- 発生経過と予報の根拠
- 7月の気温・降水量は平年並と予報されていることから、発生量は平年並と予想される。
- 防除対策
- アブラムシの寄生密度が高まるのは出穂期の10〜20日後なので、春まき小麦では今後の発生状況に注意する。
- 1穂当たり7〜11頭程度寄生すると収量に影響するので防除を実施する。
- 防除は出穂期から10日後までが適期で、薬剤散布は1回で十分である。
C.豆類
炭そ病(小豆・菜豆) 発生期:並 発生量:やや少〜並
- 発生経過と予報の根拠
- 芽室町の予察ほでは、菜豆の子葉に6月13日(平年:6月13日)に初発が認められた。
- 本病は6月下旬から7月の多湿で多発する。
- 前年の発生量は菜豆では少発生、小豆ではやや多発生であった。
- 6月は好天が続き降水量は少なかったため、現在までの発生は少ない。
- 7月の降水量は平年並と予報されている。
- 防除対策
- 防除基準に準拠して薬剤散布を行う。
菌核病 発生期:並 発生量:やや少〜並
- 発生経過と予報の根拠
- 本病は開花期以降の低温多湿で多発する。
- 7月の気温・降水量は平年並と予報されている。
- 防除対策
- 開花時期に注意し、薬剤散布にあたっては、大豆では開花の10〜15日目、小豆では7〜10日目、菜豆では5〜7日目に第1回散布を行い、その後10日間隔で散布を継続 する。
- 灰色かび病との同時防除を行う。
灰色かび病 発生期:並 発生量:やや少〜並
- 発生経過と予報の根拠
- 本病は菌核病と同様、開花期以降の低温多湿で多発する。
- 7月の気温・降水量は平年並と予報されている。
- 防除対策
- 菌核病に準ずる。
- ジカルボキシイミド系薬剤(プロシミドン水和剤、イプロジオン水和剤)に対する 耐性菌が一部地域で認められている。また、十勝地方の一部でフルアジナム剤の効果低下が認められているため、薬剤の選択に十分注意する。耐性菌の出現を防ぐため、 同系統薬剤の連用を避け、ローテーション散布を行う。
茎疫病(大豆・小豆) 発生期:並 発生量:やや少〜並
- 発生経過と予報の根拠
- 7月の降水量は平年並と予報されている。
- 防除対策
- 転換畑など過湿土壌で発生しやすいので、ほ場の排水に努める。
べと病(大豆) 発生期:並 発生量:やや少〜並
- 発生経過と予報の根拠
- 本病は多湿条件で多発する。
- 7月の気温・降水量は平年並と予報されている。
輪紋病(小豆) 発生期:並 発生量:やや少〜並
- 発生経過と予報の根拠
- 本病は多湿条件で多発する。
- 7月の降水量は平年並と予報されている。
- 防除対策
- 防除基準に準拠して薬剤散布を行う。
ツメクサガ 発生期:やや遅 発生量:並
- 発生経過と予報の根拠
- 予察灯ではまだ誘殺されていない。
- 前年の発生量は平年並であり、7月の気温・降水量は平年並と予報されていることから、発生量は平年並と考えられる。
- 防除対策
- 開花期から莢伸長期に葉を食害されると最も収量に影響するが、この時期の食害葉面積率20%で5%程度の減収となる。
- 大豆1個体当たりの寄生幼虫頭数で、開花前で1頭、開花期頃で2頭、莢伸長期以降で3頭以下であれば、防除の必要性はない。
アズキノメイガ 発生期:並 発生量:やや少
- 発生経過と予報の根拠
- 本種の発蛾最盛期は7月中旬〜下旬である。
- 前年の発生量はやや少であり、7月の気温・降水量は平年並と予報されていることから、発生量は少なめと考えられる。
- 防除対策
- 産卵盛期から7〜10日間隔で薬剤散布を行う。
ナミハダニ 発生期:並 発生量:並
- 発生経過と予報の根拠
- 7月の気温・降水量は平年並と予報されていることから、発生期・発生量とも平年並と予想される。
- 防除対策
- 薬剤抵抗性の発達を避けるため、同一薬剤の連用、過用をさける。
D.馬鈴しょ
疫病 発生期:並 発生量:並
- 発生経過と予報の根拠
- 本病は低温多雨で発病しやすい。
- 5月中に萌芽した地域では初発が早まる可能性がある。
- 6月は好天に経過し、7月の気温・降水量は平年並と予報されている。
- 防除対策
- 防除基準に準拠し、発生予測システム(FLABS)を活用し適期防除に努める。
- フェニルアマイド系薬剤には一部地域で耐性菌が認められているので使用に当たっては注意する。
アブラムシ類 発生期:既発(並) 発生量:並
- 発生経過と予報の根拠
- ジャガイモヒゲナガアブラムシの発生量は現在多めであるが、主体となるモモアカ アブラムシ、ワタアブラムシは近年発生が少ないことから、平年並の発生と予想される。
- 防除対策
- 防除基準に準拠して薬剤散布を行う。
E.てんさい
褐斑病 発生期:並 発生量:やや少〜並
- 発生経過と予報の根拠
- 本病は高温多湿で多発する。
- 7月の気温・降水量は平年並と予報されている。
- 防除対策
- 防除基準に準拠して発病株率が50%に達した時点で薬剤散布を開始する。
テンサイモグリハナバエ 発生期:既発(並) 発生量:並〜やや多
- 発生経過と予報の根拠
- 第1世代の発生量は芽室町で多発であったが、訓子府町ではほぼ平年並であった。
- 7月の気温・降水量は平年並と予報されていることから、第2世代の発生量は第1世代の発生量から平年並〜やや多と予想される。
- 防除対策
- 幼虫の加害初期から最盛期(平年:6月中旬〜7月上旬)にかけて防除する。
- 通常の発生では、てんさいの生育が進み被害が軽いので単独防除の必要はなく、ヨトウガ等との同時防除が可能である。
ヨトウガ(第1回) 発生期:やや遅 発生量:並
- 発生経過と予報の根拠
- 予察灯による初誘殺は長沼町で6月13日(平年:6月2日)と平年より遅かったものの、芽室町では6月7日(平年:6月6日)とほぼ平年並であった。また誘殺数は長沼町・芽室町ともほぼ平年並で推移している。
- 7月の気温・降水量は平年並と予報されていることから、被害はほぼ平年並と予想される。
- 防除対策
- 防除は被害株率が50%に達した時点で行い、1回の防除で十分である。
F.りんご
黒星病 発生期:既発(並) 発生量:並
- 発生経過と予報の根拠
- 本病は冷涼多雨で多発する。
- 長沼町の予察園での発生量は、平年並〜やや多に推移している。
- 普及センターからの報告によると、一般園でも一部で発生が見られるものの、ほとんどの園地では問題となっていない。
- 7月の気温・降水量は平年並と予報されている。
- 防除対策
- 防除基準に準拠して薬剤散布を継続する。
斑点落葉病 発生期:既発(早) 発生量:並
- 発生経過と予報の根拠
- 本病は高温多湿で多発し、特に2〜3日の連続した降雨で急増する。
- 長沼町の予察園での初発は6月10日(平年:6月28日)で平年より早く、発生量は平年並である。
- 7月の気温・降水量は平年並と予報されている。
- 防除対策
- 防除基準に準拠して薬剤散布を行う。
ハダニ類 発生期:既発(遅) 発生量:並
- 発生経過と予報の根拠
- 現在の発生量はリンゴハダニ、ナミハダニとも平年並である。
- 7月の気温・降水量は平年並と予報されていることから、発生量は平年並と予想される。
- 防除対策
- 同一系統の薬剤を使用すると薬剤抵抗性の発達が急速に進むので、異なる系統の薬剤をローテーション散布する。
ハマキムシ類 発生期:既発(やや早) 発生量:並
- 発生経過と予報の根拠
- 長沼町におけるフェロモントラップによる成虫の誘殺数は平年並に推移している。
- 7月の気温・降水量は平年並と予報されていることから、発生量は平年並のまま推移すると予想される。
- 防除対策
- 防除基準に準拠して薬剤散布を行う。
キンモンホソガ 発生期:既発(並) 発生量:やや少〜並
- 発生経過と予報の根拠
- 第1回成虫の発生量は平年より少なめであった。
- 7月の気温・降水量は平年並と予報されていることから、第2回成虫の発生量はやや少〜平年並と予想される。
- 防除対策
- 防除基準に準拠して薬剤散布を行う。
モモシンクイガ 発生期:並 発生量:やや少〜並
- 発生経過と予報の根拠
- 前年の発生量は長沼町の予察園、一般園とも少なかった。
- 7月の気温・降水量は平年並と予報されていることから、発生量はやや少〜平年並と予想される。
- 防除対策
- 防除基準に準拠して薬剤散布を行う。
G.たまねぎ
白斑葉枯病 発生期:既発(早) 発生量:並
- 発生経過と予報の根拠
- 長沼町の予察ほでの初発は6月10日(平年:6月20日)で平年より早かった。訓子府町では未発生(平年:7月2日)である。
- 本病は多湿条件で多発する。
- 7月の気温・降水量は平年並と予報されている。
- 防除対策
- 防除基準に準拠して薬剤散布を行う。
軟腐病 発生期:並 発生量:並
- 発生経過と予報の根拠
- 本病は多雨で多発する。
- 7月の降水量は平年並と予報されている。
- 防除対策
- 防除基準に準拠して薬剤散布を行う。
ネギアザミウマ 発生期:既発(早) 発生量:並
- 発生経過と予報の根拠
- 5月下旬の高温経過から成虫の初発期は訓子府町で5月6半旬(平年:6月3半旬)、長沼町では6月2半旬(平年:6月3半旬)と平年より早まったが、発生量は平年より少なめとなっている。
- 7月の気温・降水量は平年並と予報されていることから発生量は平年並と考えられる。
- 防除対策
- 防除開始時期は、成虫の寄生株率が10%以上になったら10日以内、または簡易トラップで多飛来が認められてから5日以内とする。
- 追加防除は、寄生程度指数20、寄生株率50%を目安に行う。
H.あぶらな科野菜
軟腐病 発生量:並
- 発生経過と予報の根拠
- 本病は高温多雨で多発する。
- 7月の降水量は平年並と予報されている。
- 防除対策
- 防除基準に準拠して薬剤散布を行う。
モンシロチョウ 発生期:既発(遅) 発生量:並〜やや多
- 発生経過と予報の根拠
- 長沼町の予察ほでは成虫の発生量は少ないものの、好天経過により幼虫の発生量は多めとなっている。
- 7月の気温・降水量は平年並と予報されている。
- 防除対策
- 成虫の飛来が目立ち産卵が多いほ場では、防除基準に準拠して薬剤散布を行う。
- 防除にあたっては他害虫の発生に注意し、同時防除できる薬剤を選択する。
コナガ 発生量:多
- 発生経過と予報の根拠
- 現在までのフェロモントラップによる捕殺数は平年より多くなっている。
- 7月の気温・降水量は平年並と予報されており、現在までの成虫飛来数からみて幼虫による被害は平年より多いと予想される。
- 防除対策
- 薬剤抵抗性が発達した害虫なので、ローテーション散布を実施する。なお、合成ピレスロイド系殺虫剤では抵抗性個体群が出現しているので単剤では使用しない。
- 防除にあたっては、他害虫の発生に注意し、効率的な防除体系を組み立てる。
I.野菜類全般
灰色かび病 発生量:並
- 発生経過と予報の根拠
- 本病は低温多湿条件で多発する。施設栽培では管理条件によって発生が大きく左右される。
- 7月は気温・降水量とも平年並と予報されている。また、夏期はハウス内が高温になりやすいため、発病が抑えられることが多い。
- 防除対策
- 換気、灌水などハウス管理を適切に行い、発病に適した環境を作らない。
- 防除基準に準拠し、発病初期からの防除を心がける。治療効果のある薬剤でも、多発してからでの効果は期待できないため、初発を見逃さないように注意する。
- 一部の地域では、ジカルボキシイミド系剤、チオファネートメチル・ジエトフェンカルブ水和剤の耐性菌が確認されているため、薬剤の選択には注意する。
ハダニ類 発生量:並
- 発生経過と予報の根拠
- 7月の気温・降水量は平年並と予報されていることから、発生期・発生量とも平年並と予想される。
- 防除対策
- 薬剤抵抗性の発達を避けるため、同一薬剤の連用、過用をさける。
アブラムシ類 発生量:並
- 発生経過と予報の根拠
- 7月の気温・降水量は平年並と予報されていることから、発生期・発生量とも平年並と予想される。
- 防除対策
- 発生状況に注意し、発生初期に防除を行う。
付記 北海道地方 3か月予報
(7月から9月までの天候見通し)平成11年6月21日
札幌管区気象台発表
3か月(7〜9月)の気温の各階級の確率(%)

3か月平均気温は、平年並の可能性がもっとも大きく、その確率は50%です。
可能性の大きな天候見通し
- 7月
- 天気は周期的に変わりますが、前半を中心にオホーツク海高気圧の影響を受ける時期があるでしょう。後半は太平洋高気圧に覆われて暑い日もあり、気温の変動が大きい見込みです。
- 8月
- 前半は太平洋高気圧に覆われて暑い日がありますが、後半を中心に前線や上空の寒気の影響で天気のぐずつく時期がある見込みで、気温の変動が大きいでしょう。
- 9月
- 天気は数日周期で変わりますが、平年に比べて、移動性高気圧に覆われて晴れる日が多い見込みです。
3か月間降水量は平年並でしょう。
6〜8月の降水量見通し要素 | 予報対象地域 | 7月 | 8月 | 9月 |
気温 | 北海道地方 | 平年並 | 平年並 | 平年並 |
降水量 | 北海道地方 | 平年並 | 平年並 | 少ない |
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