平成11年度 病害虫発生予察情報 第4号

6月予報

平成11年5月 28日 北海道病害虫防除所

(連絡先:予察課 Tel.01238(9)2080(内)323

     Fax.01238(9)2082)


 季節予報(付記)によれば、6月は天気は周期的に変わるが、平年と同様に一時オホーツク海高気圧の影響を受ける時期があり、特に後半は天気がぐずつき低温の続く時期がある、また気温の変動が大きいと見込まれています。
 このようなことから多めの発生が予想される病害虫は、水稲のイネドロオイムシ、小麦の赤かび病、豆類の茎疫病、炭そ病、馬鈴しょの疫病、りんごの黒星病、あぶらな科野菜のコナガ、果菜類の灰色かび病です。

A.水稲
B.小麦
C.豆類
D.馬鈴しょ
E.てんさい
F.りんご
G.たまねぎ
H.あぶらな科野菜
I.果菜類
季節予報

A.水稲

ヒメトビウンカ  発生期:既発(早)  発生量:やや少

  1. 発生経過と予報の根拠
    1. 前年秋季の発生量は全道的に少なかった。普及センターからの報告によると、水田畦畔における20回すくい取り虫数は、平取地区で平均8頭と高かった以外は各地とも1頭以下と少なかった。       
    2. 第1回成虫の初発は岩見沢市のすくい取り調査で5月18日(平年:5月4半旬)と平年並であったが、大野町の黄色水盤では4月下旬の高温から、5月11日(平年:5月21日)と早かった。
    3. 上川中央部の保毒虫率は前年よりやや高いものの、越冬幼虫密度は平年より少なく、本種が媒介する縞葉枯病も少ないと予想される。
  2. 防除対策
    1. 箱施用剤の効果が高い場合は7月上旬までの本田防除を省くことができる。
    2. 水面施用は必ず水を止めて行い、極端な深水は避け、施用後4〜5日間止め水にして水の移出を防ぐ。

イネハモグリバエ  発生期:やや遅  発生量:並

  1. 発生経過と予報の根拠
    1. 前年の発生量は、全道的には平年並の少発生であった。
    2. 5月が低温で経過し、6月の気温は平年並と予報されていることから、発生期はやや遅く、発生量は平年並と予想される。
  2. 防除対策
    1. 成虫は移植後の稲に集まり、葉に掻き傷を作ると同時にその一部に産卵することから、掻き傷が多い場合は成虫の発生盛期から産卵初期に防除を実施する。

イネミズゾウムシ  発生期:並  発生量:並

  1. 発生経過と予報の根拠
    1. 前年の発生量は平年並で、秋の誘殺数も平年並であった。
    2. 越冬成虫は5月下旬頃より活動を始め、移植と同時に水田に侵入する。
    3. 6月の気温は平年並と予報されていることから、水田への侵入期は平年並で、秋の誘殺数から発生量も平年並と予想される。
  2. 防除対策
    1. 越冬成虫の発生盛期の寄生数が1株当たり 0.5頭内外、または成虫食害株率80%(50株調査)を防除要否の目安とする。越冬成虫の発生盛期は、4月1日からの積算温度(13.8℃以上)で70日度〜100日度の期間である。
    2. 本田防除(水面施用・茎葉散布)は成虫の発生盛期とその10日後の2回散布を実施すると効果的である。

イネドロオイムシ  発生期:並  発生量:並〜やや多

  1. 発生経過と予報の根拠
    1. 前年の発生は空知・日高支庁管内でやや多発生となったものの、全道的には平年並の発生であった。
    2. 年1回の発生で、移植後の水田に移動して葉を食害し卵塊を葉の表面に産み付ける。ふ化幼虫も葉を食害し、葉の上で蛹となる。
    3. 6月の気温は平年並と予報されているものの、後半は天気がぐずつき低温の続く時期があると予報されていることから、幼虫の食害期間が長引き被害が多くなると考えられる。
  2. 防除対策
    1. 卵塊数が株あたり平均1〜2個が防除要否の目安である。
    2. 調査は専用の調査シート(北の虫見番)を使って行い、1箇所につき5〜10株程度実施し、防除要否を判定する。   
    3. 卵塊数の調査時期は、産卵ピークとなる日を中心として約10日間である。調査時期は「北の虫見番」を参照する。
    4. 老齢幼虫になると防除効果が劣るので注意する。
    5. 薬剤は防除基準に準拠して使用するが、有機りん系及びカーバメート系薬剤に抵抗性の個体群が広範囲に認められているので薬剤の選定には十分注意する。
「北の虫見番」のページへ

フタオビコヤガ  発生期:やや遅  発生量:やや少

  1. 発生経過と予報の根拠
    1. 前年は全道的に少発生であった。
    2. 6月は気温・降水量とも平年並と予報されているものの、5月の低温経過により、発生期はやや遅く、発生量は前年の発生状況から平年より少ないと予想される。
  2. 防除対策
    1. 幼虫や水面に浮いている笹舟型の蛹を見つけたら、次世代の発生に注意する。
    2. 若齢幼虫期に防除基準に基づき茎葉散布を実施する。

B.小麦

うどんこ病  発生期:既発(遅)  発生量:やや少

  1. 発生経過と予報の根拠
    1. 本病は低温少雨で多発しやすい。
    2. 現在の予察ほでの発生量は平年より少なめである。
    3. 普及センターからの報告によると、上川地方で発生が見られる他は、ほとんど発生は見られていない。
    4. 現在の秋まき小麦の茎数は平年の8割程度と少ない。
    5. 6月は気温・降水量とも平年並であるが、後半は天気がぐずつき低温の続く時期があると予報されている。
  2. 防除対策
    1. 感受性品種の栽培ほ場では防除基準に準拠して薬剤散布を行う。抵抗性品種であっても、発生動向に十分注意する。
    2. 穂・止葉・止葉の下1葉(次葉)の発病を抑えれば収量に影響がない。感受性品種では次葉展開期からの防除が重要である。        
    3. DMI剤(従来のEBI剤)の感受性の低下が一部地域で確認されているので、他病害を含めてなるべく同一系統の薬剤の連用を避け、系統の異なる薬剤を組み合わせて使用する。
    4. ストロビルリン系剤についても耐性菌が外国で報告されており、本州ではウリ類のうどんこ病で耐性菌が確認されている。このため散布は最小限にする。

赤さび病  発生期:既発(並)  発生量:やや少〜並

  1. 発生経過と予報の根拠
    1. 本病は高温少雨で発病が助長される。
    2. 現在の予察ほでの発生量は「ホクシン」では平年より多く、「チホクコムギ」、「赤銹不知1号」では平年より少ない。
    3. 普及センターからの報告によると、一部地域の「ホクシン」で発生が認められている。
    4. 現在の秋まき小麦の茎数は平年の8割程度と少ない。
    5. 6月は気温・降水量とも平年並であるが、後半は天気がぐずつき低温の続く時期があると予報されている。
  2. 防除対策
    1. 「ホクシン」は「チホクコムギ」より本病に弱いため、ほ場を観察し発生動向に注意する。 
    2. 発生の多い場合は防除基準に準拠して薬剤散布を行う。薬剤によって残効が違うため注意する。

赤かび病  発生量:やや多

  1. 発生経過と予報の根拠
    1. 本病は開花期の降雨で初期感染し、その後の降雨で発病が助長される。特に低温が続くと、F.nivale による赤かび病が多発し、被害も大きい。
    2. 6月は気温・降水量とも平年並であるが、後半は天気がぐずつき低温の続く時期があると予報されている。
  2. 防除対策
    1. 出穂期から乳熟期までの気象経過に十分注意し、防除基準に準拠して薬剤を散布する。
    2. 穂に薬剤がかからないと効果がないため、完全に出穂してから散布を行う。

ムギクロハモグリバエ  発生量:やや少

  1. 発生経過と予報の根拠
    1. 前年は全道的に少発生であった。
    2. 年2回の発生で、蛹で土中越冬する。成虫は5月中旬頃から羽化し、6月上旬頃から産卵管で麦の葉に引っ掻き傷を作り、傷口部分に卵を産みつける。
    3. 前年の発生状況から、発生量は平年よりやや少ないと予想される。
  2. 防除対策
    1. 被害を軽くするためには葉の生育を盛んにすることが大切である。
    2. 6月下旬の上位2葉の被害葉率が12%以下の場合は防除は不要である。

ムギキモグリバエ  発生期:やや遅  発生量:やや少〜並

  1. 発生経過と予報の根拠
    1. 前年は全道的に少発生であった。
    2. 加害植物の茎内で越冬した幼虫は、4月下旬頃から蛹に、5月下旬頃から成虫となり、麦の葉舌付近に産卵する。ふ化した幼虫は葉鞘内に侵入し内部を食害する。
    3. 5月の低温経過から成虫の発生期はやや遅くなると予想される。
    4. 被害発生量は、春まき小麦の播種期が融雪期の遅れでやや遅く、5月の低温経過により生育も遅いと考えられることからやや少から平年並と予想される。
  2. 防除対策
    1. 春まき小麦では発生が多いので引き続き発生状況に注意する。

アブラムシ類  発生期:並  発生量:並

  1. 発生経過と予報の根拠
    1. 6月の天気は周期的に変わるものの気温・降水量とも平年並と予報されていることから発生期、発生量とも平年並と予想される。
  2. 防除対策
    1. アブラムシの寄生密度が高まるのは出穂期の10〜20日後であるので、この時期の発生状況に注意する。
    2. 1穂当たり7〜11頭程度寄生すると収量に影響するので防除を実施する。
    3. 薬剤散布は1回で十分である。

C.豆類

茎疫病(大豆・小豆)  発生量:やや多

  1. 発生経過と予報の根拠
    1. 本病は多雨などでほ場が滞水すると多発する。  
    2. 6月の降水量は平年並であるが、後半は天気がぐずつくと予報されている。
  2. 防除対策
    1. 本病は過湿土壌で発生しやすいので、転換畑や排水不良のほ場では排水対策を講ずる。

炭そ病(小豆・菜豆)  発生期:やや早〜並  発生量:並〜やや多

  1. 発生経過と予報の根拠
    1. 本病は多湿条件で発病が助長される。
    2. 6月の降水量は平年並であるが、後半は天気がぐずつき低温の続く時期があると予報されている。  
    3. 菜豆では近年少発生に推移しているが、小豆では前年度十勝地方でやや多発したため、菌密度は高いと思われる。
  2. 防除対策
    1. 発病が見られたほ場では、防除基準に準拠し薬剤散布を行う。  
    2. 気象経過によっては、平年より初発が早くなる可能性があるため、ほ場観察をしっかり行い早期発見に努める。

ジャガイモヒゲナガアブラムシ  発生期:やや遅  発生量:やや少

  1. 発生経過と予報の根拠
    1. 有翅虫の発生期が早いほど飛来量が多くなる傾向が認められている。  
    2. 5月の低温多雨傾向から、発生期はやや遅く、発生量はやや少ないと予想される。  
    3. 本種が媒介する大豆わい化病およびインゲン黄化病はやや少ないと予想される。
  2. 防除対策
    1. 発芽直後に有翅虫が飛来した場合、粒剤の効果が現れない場合があるので、茎葉散布を実施する。薬剤によっては薬害が生ずるので注意する。

D.馬鈴しょ

疫病  発生期:やや早 発生量:やや多

  1. 発生経過と予報の根拠
    1. 本病は低温多雨で発病しやすい。  
    2. 6月は気温・降水量とも平年並であるが、後半は天気がぐずつき低温の続く時期があると予報されている。
  2. 防除対策
    1. 発生予測システム(FLABS)を活用して適期防除に努める。  
    2. 発病後曇雨天が続くと、薬剤散布をしても病勢を抑えるのは難しいため、初発を見逃さないようにほ場観察をしっかり行う。  
    3. フェニルアマイド系薬剤には一部地域で耐性菌が認められているので使用に当たっては注意する。

ナストビハムシ  発生期:並  発生量:並

  1. 発生経過と予報の根拠
    1. 前年は春先が高温経過であったことから発生量が多く、雑草地での越冬成虫密度も平年より多いと考えられる。  
    2. 6月の気温は平年並と予報されていることから発生期は平年並と予想される。  
    3. 越冬量は多いと考えられるものの、6月後半は低温の続く時期があると予報されていることから、発生量は平年並と予想される。
  2. 防除対策
    1. 土壌施用剤を施用していないほ場では、成虫の侵入盛期(6月中旬〜下旬)に防除を実施する。

アブラムシ類  発生期:やや遅  発生量:やや少

  1. 発生経過と予報の根拠
    1. 5月の低温経過からアブラムシ類の初発期はやや遅いと考えられる。  
    2. ジャガイモヒゲナガアブラムシの発生量は5月の多雨の影響で少ないと予想される。  
    3. モモアカアブラムシ、ワタアブラムシは近年発生が少ないことから発生量は少なめと予想される。  
    4. 葉巻病は、近年少発生に推移しており、アブラムシ類の発生も少ないと予想されていることから、発生量は少ないと予想される。
  2. 防除対策
    1. 防除基準に準拠して早期防除に努める。
    2. 採種ほ場では、土壌施用剤の効果が低下する時期から防除を実施する。

E.てんさい

テンサイモグリハナバエ  発生期:やや遅  発生量:並

  1. 発生経過と予報の根拠
    1. 前年は釧路支庁管内で多めの発生であったものの、全道的には平年並の少発生であった。  
    2. 5月の低温経過から発生期は平年よりやや遅く、前年の発生状況から発生量は平年並の少発生と予想される。
  2. 防除対策
    1. 12葉期に被害株率が100%に達していない場合は防除は不要である。

ヨトウガ(第1回)  発生期:やや遅  発生量:並

  1. 発生経過と予報の根拠
    1. 前年の2回目の発生は釧路支庁管内で多めの発生であったものの、全道的には平年並の発生であった。  
    2. 5月の低温経過から発生期は平年よりやや遅く、前年の第2回の発生量から成虫の発生量は平年並と予想される。
    3. 6月は気温・降水量とも平年並と予報されていることから、産卵量はほぼ平年並と予想される。
  2. 防除対策
    1. 防除は被害株率が50%に達した時点で行い、1回の防除で十分である。

F.りんご

黒星病  発生期:並  発生量:やや多

  1. 発生経過と予報の根拠
    1. 本病は開花直前の多雨で多発し、その後の冷涼多雨で二次伝染が多くなる。
    2. 5月6半旬の曇雨天により、防除が遅れている地域が多い。
    3. 6月は気温・降水量とも平年並であるが、後半は天気がぐずつき低温の続く時期があると予報されている。
  2. 防除対策
       
    1. 防除基準に準拠し初期防除を徹底する。  
    2. 発生園では防除間隔は10日以上あけない。  
    3. 前年の秋期に多発した園では発生が多くなることが予想されるので、防除適期を失しないように注意する。

斑点落葉病  発生期:やや遅  発生量:やや少

  1. 発生経過と予報の根拠
    1. 本病は高温多湿で発病が助長される。  
    2. 6月は気温・降水量とも平年並であるが、後半は天気がぐずつき低温の続く時期があると予報されている。
  2. 防除対策
    1. 防除基準に準拠して薬剤散布を行う。

ハダニ類 発生期:既発(遅)  発生量:やや少

  1. 発生経過と予報の根拠
    1. 前年の発生量は少なかった。  
    2. 5月の低温経過から、長沼町の予察園におけるリンゴハダニのふ化期は5月17日(平年:5月10日)と遅かった。  
    3. 6月は気温・降水量とも平年並と予報されているものの、5月の低温多雨経過と、6月後半に低温が続くことが予報されており、発生量は平年よりやや少ないと予想される。
  2. 防除対策
    1. 同一系統の薬剤を使用すると薬剤抵抗性の発達が急速に進むので、異なる系統の薬剤をローテーション散布する。

ハマキムシ類 発生期:既発(やや早)  発生量:やや少

  1. 発生経過と予報の根拠
    1. 前年の発生量は平年並であった。  
    2. 4月下旬の高温経過から、卵越冬種ミダレカクモンハマキのふ化期は長沼町で5月3日(平年:5月7日)と早まった。
    3. 長沼町の予察園での被害花そう率は平年より少なめに経過している。
  2. 防除対策
    1. 防除基準に準拠して薬剤散布を実施する。

キンモンホソガ 発生期:既発(早)  発生量:やや少〜並

  1. 発生経過と予報の根拠
    1. 成虫の初発期は4月下旬の高温経過から5月9日(平年:5月28日)と早まった。  
    2. 前年秋季の発生は少なめであり、発生量はやや少から平年並と予想される。
  2. 防除対策
    1. 防除基準に準拠して薬剤散布を実施する。

G.たまねぎ

白斑葉枯病  発生期:並 発生量:並

  1. 発生経過と予報の根拠
    1. 本病は多湿条件で多発する。  
    2. 6月は気温・降水量とも平年並と予報されている。
  2. 防除対策
    1. ほ場観察を行い初期防除に努める。

タマネギバエ  発生量:並

  1. 発生経過と予報の根拠
    1. 前年は全道的に多発生であった。  
    2. 6月の気温・降水量は平年並と予報されていることから発生量は平年並と予想される。

ネギアザミウマ  発生期:やや遅  発生量:並

  1. 発生経過と予報の根拠
    1. 前年は上川・網走支庁管内で多発生であったことから、両管内の越冬密度は高いと考えられる。  
    2. 5月の低温経過から、成虫の発生期は平年よりやや遅くなると予想される。
    3. 発生量は、越冬密度が高いと考えられるものの、6月後半に低温が続くと予報されていることから、ほぼ平年並になると予想される。
  2. 防除対策
    1. 防除開始時期は、成虫の寄生株率が10%以上になったら10日以内、または簡易トラップで多飛来が認められてから5日以内とする。
    2. 追加防除は、寄生程度指数20、寄生株率50%を目安に行う。

H.あぶらな科野菜

モンシロチョウ  発生期:既発(遅)  発生量:やや少

  1. 発生経過と予報の根拠
    1. 前年は第1回成虫の発生が多かったものの、第3回成虫は平年より少なかった。  
    2. 5月の低温多雨により第1回成虫の発生期は平年より遅く、発生量は少ない。
    3. 6月は気温・降水量とも平年並と予報されている。
  2. 防除対策
    1. 成虫の飛来が目立ち産卵が多いほ場では、防除基準に準拠して薬剤散布を行う。
    2. 防除にあたっては、他害虫の発生に注意し、同時防除できる薬剤を選択する。

コナガ  発生量:やや多

  1. 発生経過と予報の根拠
    1. 現在までのフェロモントラップによる捕殺数は平年より多く、特に5月5半旬には多飛来が見られている。  
    2. 6月は気温・降水量とも平年並と予報されており、現在までの成虫飛来数からみて、幼虫による被害は平年より多いと予想される。
  2. 防除対策
    1. 6月以降にも多飛来することがあるので、発生状況に十分注意する。
    2. 薬剤抵抗性が発達した害虫なので、ローテーション散布を実施する。なお、合成ピレスロイド系殺虫剤では抵抗性個体群が出現しているので単剤では使用しない。
    3. 防除にあたっては、他害虫の発生に注意し、効率的な防除体系を組み立てる。
フェロモントラップによるコナガ雄成虫誘殺数(長沼町)
  本年 平年
5月2半旬 42 4
3半旬 10 8
4半旬 15 13
5半旬 133 28

I.果菜類

灰色かび病  発生量:並〜やや多

  1. 発生経過と予報の根拠
    1. 本病は低温多湿条件で多発する。施設栽培では管理条件によって発生が大きく左右される。  
    2. 6月は気温・降水量とも平年並であるが、後半は天気がぐずつき低温の続く時期があると予報されていることから、換気不良などハウス管理によっては発病に適した環境になりやすい。
  2. 防除対策
    1. 換気、灌水などハウス管理を適切に行い、発病に適した環境を作らない。  
    2. 防除基準に準拠し、発病初期からの防除を心がける。治療効果のある薬剤でも、多発してからでの効果は期待できないため、初発を見逃さないように注意する。  
    3. 一部の地域では、ジカルボキシイミド系剤、チオファネートメチル・ジエトフェンカルブ水和剤の耐性菌が確認されているため、薬剤の選択には注意する。

付記 
北海道地方 3か月予報

(6月から8月までの天候見通し)

平成11年5月20日
札幌管区気象台発表

3か月(6〜8月)の気温の各階級の確率(%)

3か月平均気温は、平年並の可能性がもっとも大きく、その確率は50%です。

可能性の大きな天候見通し

6月
天気は周期的に変わりますが、平年と同様に一時オホーツク海高気圧の影響を受ける時期があるでしょう。特に後半は天気がぐずつき低温の続く時期がある見込みです。気温の変動が大きいでしょう。
7月
天気は周期的に変わりますが、前半を中心にオホーツク海高気圧の影響を受ける時期があるでしょう。後半は太平洋高気圧に覆われて暑い日もあり、気温の変動が大きい見込みです。
8月
前半は太平洋高気圧に覆われて暑い日がありますが、後半を中心に前線や上空の寒気の影響で天気のぐずつく時期がある見込みで、気温の変動が大きいでしょう。

3か月間降水量は平年並でしょう。

6〜8月の降水量見通し
要素 予報対象地域 6月 7月 8月
気温 北海道地方 平年並 平年並 平年並
降水量 北海道地方 平年並 平年並 多い




病害虫発生予察情報一覧へ戻る

ホームページへ戻る