この期間、上旬は短い周期で気圧の谷が通過し、通過後は冬型の気圧配置となることが多かった。このため気温は低く経過し、各地の根雪（長期積雪）の終日は日本海側を中心に平年と比べて２週間前後遅い所が多かった。後半からは高気圧に覆われることが多く気温は高めに経過し、特に下旬の日照時間は多く、降水量は少なかった。

上旬：１〜２日は北海道の北を低気圧が通過し、日本海側を中心に雨や雪が降った。３日は冬型の気圧配置となり、太平洋側を除いて雪が降った。４日は高気圧に覆われたため日中は太平洋側中心に晴れたが、夜には低気圧が接近し南西部で雪が降り出した。５日は低気圧の通過で、南西部では雨や雪、その他では雪が降って通過後は冬型の気圧配置となり、日本海側や北部の一部を除き天気は回復した。６日は高気圧の通過後、低気圧が接近し、初め北部で晴れた所がある他は概ね曇りとなった。７日は低気圧が北海道の南を通過したため、北部の一部を除いて雪が降り、渡島地方の千軒では30cm前後の大雪となった。８日は高気圧に覆われ概ね晴れたが、東部では初め低気圧の影響で、雪や曇りとなった。９日は高気圧に覆われ概ね晴れた。10日は気圧の谷の通過で曇りの所が多く、日本海側を中心に雨の降った所があった。

中旬：11日は高気圧の張り出しの中にあり、晴れた所が多かったが、太平洋側では曇りや霧の所があった。12日は高気圧の中心が東海上に遠ざかったため北部で晴れた所がある他は曇りで太平洋側では霧や霧雨の所が多かった。13〜14日は低気圧の通過で雨の降った所が多かった。日降水量は両日とも多い所で10〜20mm前後。12〜13日にかけては気温も高くなり、日本海側を中心に雪解けが進んで道路の冠水や河川の増水などの被害が出た。15日は気圧の谷と上空の寒気の影響で曇りの所が多く、雨や雪の降った所があった。16〜17日は気圧の谷が通過したため日本海側や東部の地方を中心に曇って雨の降った所が多かった。17日の降水量は太平洋側の多い所で30mm前後。18日は高気圧の張り出しの中にあり晴れた所が多いが、太平洋側では曇りや霧、霧雨の所が多かった。19〜20日は気圧の谷が通過したため曇りや雨の所が多かったが、通過後は天気が回復した。

下旬：21〜22日は高気圧に覆われ全道的に晴れたが、22日午後には次第に雲が拡がった。23〜25日は高気圧に覆われ晴れた所が多く気温はかなり高く経過した。特に25日は生田原（網走）26.2℃、芦別（空知）25.8℃など網走管内を中心に今季初の夏日となった。26日は三陸沖を北上した低気圧の影響で、太平洋側では雨が降り、降水量は渡島半島の多い所で20〜30mm。27日は気圧の谷の通過で北部から雨が降りだし、夜には太平洋側東部を除く全道に広がった。また、函館では平年より８日早く桜が開花した。28日は上空に強い寒気が流入し、オホーツク海側を中心に雪、その他は雨が降った。日降雪量は紋別５cm、網走３cm。29日は高気圧に覆われ晴れたが、気温は低かった。30日も引き続き高気圧の圏内で、北部では初め曇ったが、その他は概ね晴れた。

　長沼町、訓子府町および芽室町の予察ほでは平年より多い発生であった。病原菌別発生割合は長沼町では雪腐褐色小粒菌核病と紅色雪腐病が、訓子府町では紅色雪腐病と雪腐黒色小粒菌核病が、芽室町では雪腐黒色小粒菌核病が大部分を占めた。
　一般ほでも、全道的に平年より多い発生であった。

　注）大粒：雪腐大粒菌核病，黒小：雪腐黒色小粒菌核病，褐小：雪腐褐色小粒菌核病，

　　　紅色：紅色雪腐病，褐色：褐色雪腐病

２．うどんこ病　　　発生期　遅　　　発生量　少

　訓子府町の予察ほでは５月２日に初発が確認された。長沼町、芽室町では未発生である。

　予察ほの「チホクコムギ」では発生が認められていないが、主要品種「ホクシン」は長沼町、芽室町の予察ほとも発生期は早く、一般ほでも発生している。

　長沼町におけるリンゴハダニの越冬卵密度は11.2個で平年（39.5個）より少ないが、ここ数年では多めの卵密度であった。
　余市町での越冬卵のふ化初めは４月27日で平年の５月６日より早くなっているが、長沼町ではふ化は確認されていない（平年：５月９日）。

３．ハマキムシ類　　越冬量（卵越冬種）　並

　長沼町における越冬卵塊密度は１枝（５年枝）当り0.2個（平年0.4個）で、孵化初めは５月３日（平年４月30日）で平年よりやや遅かった。

　余市町における越冬卵塊密度は１枝（５年枝）当り0.8個（平年0.2個）で、孵化初めは５月４日（平年４月30日）で平年より遅かった。

１．コナガ（フェロモントラップ）　　誘殺数　並

　予察ほにおける飛来始めは長沼町では４月３半旬で前年より早く、大野町では４月４半旬で平年より早くなった。誘殺数はほぼ平年並である。